出版社内容情報
好評増刷!
内容説明
白人系遊牧民アーリヤ人が侵入して誕生したとされるインド文明。神話『リグ・ヴェーダ』に基づいた歴史記述の矛盾を、カースト制、インダス文字、スタンプ印章など考古学や人類学の成果から解明。古代インドの謎に迫る。
目次
インド史の素朴な疑問―プロローグ
インド・アーリヤ人征服説の誕生(インド・ヨーロッパ語族とは何か;言語学と考古学)
インド・アーリヤ人征服説とは何か(インド・アーリヤ人征服説を検証する;インダス文字の世界;古代インドの都市計画;中央アジアの考古学;分銅から見た中央アジアとインド;中央アジアにおける交易)
インド・アーリヤ人の起源(南アジア人の人類学的位置;インド・ヨーロッパ語の系統樹;考古学の成果)
新しいインド文明像を求めて―エピローグ
著者等紹介
堀晄[ホリアキラ]
1947年、富山県に生まれる。1979年、東京大学人文科学研究科考古学専攻博士課程単位取得退学。現在、古代オリエント博物館研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
57
今もって解読されていないインダス文字について、詳細を検討した本があまりないので、本書の論考は貴重。文字としての出発点ならありそうな想像も交えているが、他のほとんどの文字で、そのような段階は発見されていないのでは、とも思う。学校で習うインドの歴史は、インダス文明を滅ぼした(?)アーリア人による征服から始められる。しかしこれは神話に述べられているだけで、考古学的に根拠があるわけではない。ここに疑問を抱いて、征服や民族移動はなかった、とするのが著者による仮説。執筆当時に比べて今は、果たして研究が進んでいるのか。2020/08/23
takao
3
☆古い学説が信じられている。2021/03/13
中島直人
2
(図書館)読了2023/02/14
あまたあるほし
2
いまいち。著者の語り口にも疑問が残ってしまった。2011/01/03
メルセ・ひすい
2
10. 06 カースト制(原語に基づき最近はヴァルナ制と呼ばれる) ・カースト⇒ポルトガル語のカスタに由来し、種族、血統を意味する言葉。15世紀末に南インドに渡来してカスタと呼んだ。白人系遊牧民アーリヤ人が侵入して、肌の色の違いに気付き、それを身分制に結び付けた。その時、誕生したとされるインド文明。神話「リグ・ヴェーダ」に基づいた歴史記述の矛盾を、カースト制、インダス文字、スタンプ印章など考古学や人類学の成果から解明し、古代インドの謎に迫る。2008/05/17