歴史文化ライブラリー
帝国日本と植民地都市

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  • サイズ B6判/ページ数 196p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784642055741
  • NDC分類 210.6
  • Cコード C0320

内容説明

忘れてはならない負の記憶、植民地支配。日本人とアジアの人々との認識のギャップは、なぜ生まれたのか。旧植民地都市の姿から日本の植民地支配の特徴を浮彫りにし、今日のアジアと日本の問題を考える手がかりを示す。

目次

アジア都市と帝国―プロローグ
植民地都市の形成(植民地支配の拡大と都市形成;日本による新たな都市形成―第一類型 ほか)
支配の構図―植民地都市の特徴(都市化のプロセス―過剰都市化と都市非公式部門;植民地都市の住民―支配と被支配 ほか)
植民地都市と「近代」(植民地都市の建築;植民地における都市計画 ほか)
無国籍的都市空間の誕生―エピローグ

著者等紹介

橋谷弘[ハシヤヒロシ]
1955年、東京都に生まれる。1987年、東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得満期退学。現在、東京経済大学経済学部教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

カステイラ

1
内地から渡ってきたあらゆる階層の日本人によって生活や文化がそのまま持ち込まれたものの、引き揚げでごっそりいなくなったので植民地時代の遺産が急激に消失したこと、植民地の人々は西洋化は受け入れたかったので西洋様式の建物は歓迎していたが、日本の建築様式が入り込むと違和感を生み出すこと、これらのことを西洋の植民地支配と比較する部分を読むことでわかった。都市を作る側としては日本ではできないようなことをできるという点で大きなロマンを持っていたかもしれないが、支配される側にしてはこれが逆に溝を作ることになってたかも2015/07/16

たぬきのしっぽ

1
日本の植民地都市の特徴を、欧米のそれと対比させ、日本植民地支配の特質を明らかにする。日本は本国の工業化と植民地の工業化が並行して進んだ。また大量の移民を本国から送った。よって、モノカルチャー的でひとつの都市しか発展しない欧米植民地に比して、日本の植民地都市は本国とある程度類似した。その反面、人口増加に工業化は追いつかず、雑業層の比重が高かったという。また、日本の植民地では、伝統と近代の葛藤が十分に経験されないまま日本的西洋化がなされた。禍根が残る所以という。日本は西洋に顔を向けて植民地を支配していたのだ。2011/08/07

kenitirokikuti

0
あとがきから。〈思えば、私が歴史をまなびはじめたころは、都市の研究よりも、農村の研究の方が王道であるかのような雰囲気が残っていた。しかし、今や発展途上国でも人口の半分近くが都市に住む…〉2004年の記述2015/06/28

katashin86

0
「「半欧米化」した東南アジアの人たちにとって、日本人は西洋化=進歩を否定する遅れた東洋人であった」 アジアというくくりに同質性がないのなら、「大東亜」なるイメージはどこからあらわれたのだろうか。2015/01/30

文月あやと

0
植民地解放後の諸問題まで日本の占領による「負の遺産」とされているところに釈然としない。が、結果には原因があると考えるのならば、日本の植民地政策に問題があったと言えなくはないのかもしれない。 欧米式の植民はエリートによる支配。日本式の植民は平民階級による同化。この差は割と面白い、というか第二次大戦の遠因な気がする。2014/05/21

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