内容説明
人間が生み出してきた道具や科学技術には、ベネフィットとリスクがある。道具や科学技術の扱いを考えるためには、ベネフィットやリスクの把握だけでなく、人間の認知・感情や社会性への理解が必要となる。リスクと人間・社会について考える、社会心理学からのアプローチ。
目次
第1部 リスク認知―私たちはリスクをどう認識しているか(リスク認知の基盤―不確実性下の判断と確率判断の基本特性;リスク認知の各論的特徴―近道をする私たちのリスク判断;リスク認知と感情―理性と安心・不安のせめぎ合い;リスク認知の個人差;科学技術的なリスク・アセスメントの基本的な考え方とアプローチ;一般人と専門家の溝)
第2部 リスクと社会―社会の中でリスクはどう位置づけられるか(リスク情報の社会的伝搬とその波及効果;マスメディアのリスク情報とオーディエンスの受容―報道特性と公衆の認識;マスメディアの災害報道と社会の反応―メディアは災害や事故をどう伝え、人々はどう反応するか;リスク・コミュニケーション―「リスク伝達」を超えて;リスクに社会はどう相対すべきか;リスクと信頼)
著者等紹介
中谷内一也[ナカヤチカズヤ]
同志社大学心理学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MasakiZACKY
1
様々な研究者がそれぞれの専門分野からリスクについて書いた一冊。少し難しめ。少しでもできることを。2014/04/12
新橋九段
0
リスクについての基本的な知識と、基本的じゃない知識についても。ところどころ難しいところがあったので何度か再読したい。2016/03/29
plegiussalignis
0
リスクに関して心理学的な観点からまとめられた本といいつつ,実際は論文集,レビュー論文集に近い.2015/01/27
ソーシャ
0
多彩な心理学者たちがリスクに関する心理学について論じた本。内容は濃いうえに多くの問題意識から論じられていて、あの震災で心理学者たちは何を考えたのかを窺い知ることができます。この知見をどう活かしていくか、考えていかなければなりませんね。2014/03/18
Kiyotaka Mukaida
0
読むのが非常に大変だったというのが正直な感想です。ゼミの読み物として先生と議論を交わしながらどのように人々は怖いや恐ろしいといったリスクを感じているのだろうと考えさせられました。この本はオムニバスなのでいろいろな人の文章が読めたのがとても刺激的でした。自分で読みながら考え、人の読み解いた考え方と比較してこうすればいいのか?という問題意識を持って読むにはいい本だと感じた。しかし、一般的に手にとって読むには少し難しいかも知れない。よくこの分野を知っている人を交えて読めたから味わえてのではないかと思う。2013/06/03
-
- 和書
- 近代文学と宗教