内容説明
音楽と科学はこんなに近かった!聖書と数の関わり、黄金比、天体の音楽、そしてピュタゴラスからバッハまで―。科学から音楽を横断的に読み解き、宇宙の真理に迫る!
目次
アインシュタインとヴァイオリン
第1部 音と数の秘密(音楽と聖数;順列・組み合わせと音楽;黄金分割と音楽)
第2部 天体と音楽(天体のハルモニア;天体の音楽;天王星の発見者)
第3部 平均律と純正律(ピュタゴラス音律と純正律とは―神の2つの摂理;バッハと平均律;標準ピッチと絶対音感;科学か音楽か)
著者等紹介
西原稔[ニシハラミノル]
山形県生まれ。東京藝術大学大学院博士課程満期修了。桐朋学園大学音楽学部教授。18、19世紀を主対象に音楽社会史や音楽思想史を専攻
安生健[ヤスオケン]
東京藝術大学音楽学部楽理科で、西洋音楽史学・楽曲構造解析理論を専攻。スイス連邦バーゼル州立音楽専門学校で、LauteおよびClavichordの演奏を習得。東京大学教養学部基礎科学科第一で、生物物理学・生殖生物学・宇宙生物学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やま
6
ギリシャ時代から音楽と科学はつながっていて、数学者(?)のピタゴラスが弦の長さが半分だと音程が1オクターブ高くなることを言い出したことは有名だが、それ以外にも、ピタゴラスのやり方で5度調弦していくと同じ音に戻ってきたときに1/4音程度違ってくるピタゴラスコンマについての調整法は数学や物理の世界だ。それをできるだけ調整した純正調オルガンを発明した田中正平については知っていたが、田中正平自体が日本音楽、いわゆる邦楽を発展させた基礎になっていることは知らなかった。→2020/11/28
ミー子
4
平均律と純正律とか、昔の天文学と音楽との関連とか、とても興味深かった。音程の基準であるイ音(ラの音)の高さが、本来、国や地域やジャンルによって違うこと、平均律は音楽の近代化に貢献したけど、それにより失われた感性も大きいこと。また、相対音感しかない私は、絶対音感のある人が羨ましかったけど、絶対音感の弊害が語られていて、興味深かった。音楽(音律)って、長い歴史の中で科学的に研究され、近代化されてきたものなんだなあと知ったし、知識が増えた気がする。2023/03/22
la_yamato202
4
話が数学のことになると、ほとんど何を言っているのか理解できませんでした。m(_ _)m 第一部「音と数の秘密」、第二部「天体と音楽」、第三部「平均律と純正律」の三部構成。第一部と第二部は、僕にとってはほぼオカルトだった。第三部は、文明や科学の発展によって、曖昧な感性に基づいていた音楽が、規則的で理論的なものに変わっていく経緯が説かれていて、少し読みやすかった。2022/06/20
cocolate
1
音階本では期待と違い、すごい面白い。調の違いがただの平行移動じゃないって初めて理解しました。平均律の合理性で失われたものがあると。ピアノが世界を変えたのか。ヘルムホルツを電子楽器が救うのか。2021/06/30
ちっこい まつき
1
数式と数学の話は理解できてないけど、哲学者、科学者が出てくる関連の話は楽しめた。/ 「絶対音感」に対する批判的な意見も納得いくものだった。弊害で本人が苦労するのはつらいよね。/ そもそも古代ギリシャ哲学でピュタゴラスに触れるとき、必ずといっていいほど音階と数比の記述がでてくるのに、その後の哲学史で音律や音楽について触れられなくなるのも不思議だったのだ。2020/08/19