内容説明
東京都心部では近年、急速な再開発の進行にともなって、江戸遺跡の発掘調査が多数実施された。発掘対象は大名屋敷の跡地が多く、それにより文献史学などの分野でも大名屋敷に対する関心が強まってきた。加賀藩本郷邸の跡地にあたる東京大学本郷キャンパスでも、これまでに総計約六万平方メートルにおよぶ発掘調査が行われ、大名屋敷の空間構造やそこに暮した人びとの生活の実態が解明されつつある。しかしながら、江戸時代前期の大名屋敷にはいまだ未解明の部分が多い。本書では、数少ない文献・絵図史料を活用し、発掘調査の成果をそれらと関連づけながら、江戸時代前期の大名屋敷の姿を復元していきたい。
目次
1 大名江戸屋敷への関心
2 東京大学本郷構内の遺跡と加賀藩江戸屋敷
3 将軍御成と寛永期の加賀藩本郷邸
4 明暦の大火前後の本郷邸
5 天和の大火と本郷邸
6 上屋敷本郷邸の成立
著者等紹介
宮崎勝美[ミヤザキカツミ]
1954年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。専攻、日本近世史。現在、東京大学史料編纂所教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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