内容説明
「先住民インディアン」「白人」「アフリカ黒人」「アジア系」といった人種区分を用いずアメリカ史の歴史を語ることは不可能である。しかし、そのような人種の区分を普遍的で自明なものと考えてはならない。本書では、異人種間の男女関係と結婚をめぐる制度と慣習の歩みをたどり、白人を先住民や黒人や東洋人から区別し隔離するためにいかにさまざまな方策が講じられてきたかを明らかにする。
目次
人種からみたアメリカ史
1 建国と人種
2 南北戦争の遺産
3 公民権運動へ
著者等紹介
山田史郎[ヤマダシロウ]
1954年生まれ。同志社大学文学部卒業。同志社大学大学院文学研究科博士後期課程中退。専攻、アメリカ社会史・移民史。同志社大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サアベドラ
12
アメリカにおける人種問題を包括的に扱ったものではなく、「異人種婚禁止州法」(要するに白人と黒人など、異なる人種の男女が結婚すると罰せられる法律)の成立と撤廃の歴史を扱ったリブレット。1664年、植民地時代にすでに記録が存在し、アラバマ州で最後に残った同法が廃止されたのはなんと2000年のこと。合衆国の中核をなした白人層の高邁な理想と冷酷な現実を、気分が悪くなるほど生々しく描き出している。興味深い内容だったが、一方で転機となった第二次大戦以降の社会の変化に関する考察が不足していると感じた。2016/11/29
ルナティック
4
主に白人黒人の婚姻、といえば格好がつくが、白人男性主人と黒人女性奴隷との性的関係から生まれた子供は~などと、人種間の婚姻=性的関係から考えている。かなり赤裸々に書かれている気がするので、私的には好感。言い方変えると、容赦ないって感じなんですが(笑)建国から始まっているし、各州の具体例も書かれているので、頭の中にサクサク入ってきます。最近アメリカの暗部的書物を読みますが、この著作は良いと思う。華麗で素敵なアメリカの実態を少しでも知りたい方にお勧め・・この国に差別についてどうこう言われても・・とも思うよ(苦笑2014/07/24
そーすけ
2
115*主に、アメリカでの異人種間の婚姻について。効力はなくなっていたとは言え、2000年までアラバマでは異人種婚姻を禁止する法律が生きていたというのだから、恐ろしい。2019/04/19
紙魚
1
年越し読書となりました。アメリカさんのダークサイドというか、根強い差別の歴史が、主に婚姻関係から述べられております。差別的な法律がつい最近まであったようで、なにがアメリカ精神だと嗤いたくなる。2009/01/01
東側ギャン
0
この本に出てくるような100年前のアメリカ人に2020年には民主党がポリコレ棒振り回したり、黒人=身体能力が高いという風潮 だよって言われたら何言ってんだこいつ?って言われるやろうなぁ…2020/12/18