内容説明
新しい知と「科学」の冒険へと繰り出した十八世紀ヨーロッパの啓蒙主義は、一国の歴史のなかではなく、ヨーロッパという一つのコスモスの思潮として考えなければならない。そうであるならば、「啓蒙のヨーロッパ」は、自分たちの「外の世界」をどのようにとらえていたのだろうか。非ヨーロッパ世界を照らし出す啓蒙の光を軸に、植民地主義や帝国主義の源泉ともなった当時の文明観を批判的に論じたい。
目次
外の世界を照らし出す啓蒙の光
1 啓蒙とは何か
2 広がりつつある世界
3 非ヨーロッパ世界のイメージ
4 科学の光
5 「人種」・ジェンダー・文明観
著者等紹介
弓削尚子[ユゲナオコ]
1968年生まれ。お茶の水女子大学文教育学部卒業。お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士課程単位取得退学。人文科学博士。専攻、ドイツ史、女性史、ジェンダー史。現在、早稲田大学法学部助教授
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