内容説明
近代世界を知るにはアメリカ合衆国の歴史を知らねばならない。幕末以来、日本に最大の衝撃を与えてきたアメリカ。現代文明とは何かという問題をつきつける国アメリカ。そのアメリカは十九世紀の展開のなかでつくられた。君主のいない民主的共和国の樹立、黒人奴隷制の繁栄、独立自営農民による西部開拓、先住民からの掠奪と文化破壊、世界最大の工業国家への発展、移民の低賃金労働力への依存。矛盾に満ちた資本主義国家アメリカの生成発展を「普通の人々」の生活に思いを寄せながら描く。
目次
19世紀のアメリカ
民主主義国家アメリカの成立
北東部と西部の展開
南部黒人奴隷制社会の発展
金ぴか時代
変貌する南部と西部
19世紀末のアメリカの変化
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジャケット君
4
アメリカ史の概論。高校世界史で習った事項をちょいちょいっと深掘りした感じ。工業産業ピラミッドに出稼ぎ移民が組み込み、労働法やら、賃金の格差やら巡るまじく変動する。感想としては、特に新しい発見はなく、数値化された表などで具体化されているのみであるから、アメリカについて研究したい時に肩慣らしとして手に取るのが良かろう2023/06/14
Omata Junichi
1
アメリカでどのように国内経済が編成されたかをわかりやすく概説した本であるとともに、「アメリカ人」がどのように成立したかを教えてくれる本でもあるかと。WASPという語句は直接出てくるわけではないけれど、対インディアン・黒人、対移民との対比から、WASPが歴史的に立ち上がってくるさまを読み取ることができる。その時のキーワードが「隔離」というのが、とても興味深い。対インディアン政策をかなり踏まえた形で、北海道旧土民保護法がつくられたということは、「日本人」の成り立ちを考えるうえでとても示唆的。2020/08/23
kapo54
1
このシリーズはコンパクトにまとまっていて、私の学力に合っている。アメリカの光と影の両面が見える。2015/10/09