感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サアベドラ
4
中央アジア史入門。まず最初に中央アジアの自然環境と現在の民族構成を紹介し、その次に匈奴からオイラート(ジュンガル帝国)の滅亡までの中央アジア史をテュルク化と仏教、イスラームの伝播の計3つのポイントに沿って整理する。高校教科書に毛が生えた程度の記述で得られるものは少ないが、様々な遊牧国家の興亡で兎角混乱しがちな中央アジア史を筋道を付けて頭に入れるのには有用。2012/11/19
Omata Junichi
1
トルコ化とイスラーム化とモンゴルで見る内陸アジア史の概説書。まずはやっぱり地図が頭に入ってないと、誰がどこでどうなったかをイメージしていくのがしんどい。そして「国家」といえば領域がカッチリしている国家をイメージするから、遊牧国家のようなアモルファスに結びつく国家像がこれまたイメージしにくい。そんなの前近代ならあたりまえなんだろうけど、読んでいると「やっぱり日本史も固定的な領域観念で見ているよね」「領域を固定的に見ているから、この本が読みにくいんだよ」と自分の認識の杜撰さを問い返される。2020/07/21
†漆黒ノ堕天使むきめい†
1
ボーダーレスな土地であった内陸アジアにも、各国の違いがあった。その各国さえも時代が進むにつれて大きな変容とそれを受け入れる必要が出てきたことが、世界史をおさらいしながら学べた。 2015/07/31
ACTIVE GALACTIC
1
ユーラシア大陸をおでんに喩えるとその中心はどんな味が染み込んでいるのだろう。内陸アジアは多数の歴史が絡みあい、それはバイカル湖よりはじまるトルコ人の物語でもあり、イスラームが西に伝搬していく物語でもあり、オアシスに多数の遺跡を残す仏教の物語でもある。/モンゴル帝国が被支配民の信仰に頓着しないのが面白い。中国に点在する回教世界はこの頃に形成されたそうだ。/みんな都合よく自民族の歴史を太古まで遡ろうとしている。/18世紀には経済的軍事的な力を失い、冷戦期は中ソによって分割されていた。2013/03/04
こずえ
0
内陸アジアを理解する第一歩としておすすめ。同シリーズの遊牧民に関する本も読むと理解が深まる2017/09/18