出版社内容情報
日本の近代化を支える「知」のあり方を追求した明治国家の造形者の一人として、渡邉に新たな光を当てる帝国大学(今日の東京大学)の初代総長であり、民権運動に対する政府の弾圧策として悪名高い「集会条例」の起草者。その一方で、国家学会や統計協会など多くの学会や組織の立ち上げに関わり、「三十六会長」と言われる。本書では、日本の近代化を支える「知」のあり方を追求した明治国家の造形者のひとりとして、渡邉に新たな光を当てる。
はじめに
第一章 幕末の思想形成
1 生地武生
2 武生出奔
3 賊徒として
第二章 維新官僚への転身
1 外交と学政
2 武生騒動
3 条約改正交渉への参加
4 岩倉使節団の一員として
第三章 欧州への赴任――societyの発見
1 奇縁としての岩倉使節団
2 再び海を渡る
3 帰国の途
第四章 萬年会、統計協会、東京地学協会――societyの移植
1 「衆智」へ向けて
2 萬年会の創設
3 統計協会
4 東京地学協会
第五章 新たな「治国平天下」の学を求めて
1 学習院次長となる
2 集会条例の起草
3 明治十四年の全国漫遊
4 政治学校設立の構想
第六章 帝国大学初代総長
1 「三十六会長」への歩み
2 工部省に入る
3 帝国大学の創設
4 初代総長として
第七章 国家学会の創設
1 「国制知」としての国家学会
2 国会学講演会
3 実際派対純理派
4 政理対法理
5 国会学の伝道
第八章 晩年――媒介者の最期
1 集会条例その後――政策研究の試み
2 再渡欧と政界への進出
3 政党を創る――国民協会から立憲政友会へ
4 最期の日々――統計講習会
参考文献
おわりに
渡邉洪基略年譜
人名・事項索引
瀧井 一博[タキイ カズヒロ]
2016年5月現在国際日本文化研究センター教授
内容説明
渡邉洪基(一八四八~一九〇一)明治期の官僚、政治家。帝国大学(今日の東京大学)の初代総長であり、民権運動に対する政府の弾圧策として悪名高い「集会条例」の起草者。その一方で、国家学会や統計協会など多くの学会や組織の立ち上げに関わり、「三十六会長」と言われる。本書では、日本の近代化を支える「知」のあり方を追求した明治国家の造形者のひとりとして、渡邉に新たな光を当てる。
目次
第1章 幕末の思想形成
第2章 維新官僚への転身
第3章 欧州への赴任―societyの発見
第4章 萬年会、統計協会、東京地学協会―societyの移植
第5章 新たな「治国平天下」の学を求めて
第6章 帝国大学初代総長
第7章 国家学会の創設
第8章 晩年―媒介者の最期
著者等紹介
瀧井一博[タキイカズヒロ]
1967年福岡県生まれ。1990年京都大学法学部卒業。1995年同大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、国際日本文化研究センター教授。博士(法学)。著作『文明史のなかの明治憲法―この国のかたちと西洋体験』講談社選書メチエ、2003年(大佛次郎論壇賞、角川財団学芸賞)、『伊藤博文―知の政治家』中公新書、2010年(サントリー学芸賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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