目次
嘉納治五郎は日本の体育やスポーツをどのように考えていたのか
第1部 過去のオリンピック東京大会招致をめぐる思惑と嘉納治五郎(「幻の東京オリンピック」と大日本体育協会―オリンピズムと国内政治の葛藤;なぜオリンピックを東京に招致しようとするのか―一九四〇年と一九六四年の東京大会)
第2部 嘉納治五郎の体育思想とその実践(嘉納治五郎の考えた国民体育;スポーツによる関東大震災直後の復興への試み―嘉納治五郎と大日本体育協会による協技力向上とスポーツ公園の造営;嘉納治五郎は「体育」をどのように考えていたのか―「大日本体育協会」の名称との関係性から)
第3部 嘉納治五郎の柔道思想とその実践(“柔道”と“スポーツ”の相克―嘉納が求めた武術性という課題;嘉納治五郎と女子柔道;嘉納治五郎が理想とした柔道―女子柔道に託したもの)
第4部 現代スポーツと嘉納治五郎(現代における「自他共栄」主義の実践的啓発―その可能性と課題;女性スポーツの競技化とその課題―女子柔道競技の歴史と強化を例として;現代スポーツを考えるために―嘉納治五郎の成果と課題から)
嘉納治五郎に学ぶ日本のスポーツのこれから
著者等紹介
菊幸一[キクコウイチ]
1957年富山県生まれ。1987年筑波大学大学院博士課程体育科学研究科単位取得退学。教育学博士。現在、筑波大学体育系教授。同大学院スポーツ健康システム・マネジメント専攻長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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unamaster
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昨年購入してからそのままにしてあったのですが、武道とスポーツの関係について文献が欲しくて読みました。特に嘉納治五郎師範は柔道を自身の中でどのように位置付けていたのかが知りたかったのですが、その答えの大部分は本書の中にありました。師範は柔道の武術面を維持することに腐心していたようです。ここでの結論では、欧米に対する日本の優秀さを示すことにあった、というとこになっています。他国と対等な関係でなければ正しい相互理解は進まないということだったのかなあと思います。大正期後半のことですね。2015/06/22