60年代のリアル

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  • サイズ B6判/ページ数 217,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784623062065
  • NDC分類 210.76
  • Cコード C0031

出版社内容情報

御厨貴氏(東京大学)、推薦! 政治学のプリンスによる気鋭の論考がついに刊行!
何がリアルなのか? ぼくらは何によって生を実感できるのか?

今も昔も、若者に常に課せられた問いに著者はまっすぐと逃げることなく向き合う。
著者が試みるのは、60年代の若者たちの行動や思想を、「若者」という視点から描くことである。
「リアル」という根本的な問題意識を軸にして、60年代の世相を読み解きながら、
現代の若者のあり方、これからの政治のあり方を逆照射する。
それは執筆当時大学生/大学院生であった著者が、過去の若者と現代の若者とをつなぐ
「リアル」という回路を開く試みでもあった。
本書の第Ⅰ部は、著者が東京大学法学部在学中に、『毎日新聞』紙上に9ヶ月間にわたって連載された
「60年代のリアル」がもとになっている。主として題材とされるのは60年安保闘争と60年代末の学園(大学)
闘争であるが、著者は「リアル」という側面に着目することで、小熊英二著『1968』に代表されるような
従来の60年代論とはまったくちがう「肉体感覚」という概念によって大衆・学生運動を捉え直した。
「肉体感覚」を刺激するものとしての「痛み」、それを求める「若さ」と、それが不可避的に持つ「焦り」、
そして「死」への願望・・・それらがいかにして60年代の若者の「アツさ」を生み出していったのか。
そうした経緯が、64年の東京オリンピックが象徴するような高度経済成長下での社会変革と連関されて描かれ、
現代人にとっては理解しがたい彼らの「アツさ」が説明されることになる。
さらに著者は第Ⅱ部で、60年代の若者をみるなかで発見された若者特有の「リアル」や「肉体感覚」や「皮膚」、
さらには「ジャズ」的なつながりといったようなモチーフを用いて、現代社会の特質をも明らかにしようと試みる。
そこで俎上に載せられるのは、『エヴァンゲリオン』や『攻殻機動隊』など、これまで宮台真司氏、東浩紀氏ら
社会評論家たちがその分析対象としてきたアニメであるが、著者はその60年代との接続を意識することで、インターネットと社会とのつながりについてまったく新しい視覚を提示する。そこで強調されるのは、インターネットが肉体感覚を喪失させる一方で、その「ざわめき」を非肉体的な社会構成要素のなかに生み出す可能性を胚胎させていたということである。
以上のような分析をもとにして、最後に著者は、その専門分野である政治における可能性に言及する。
「公」とはわれわれにざわめきを与えるものとして再編成され、それに伴って「公」を扱うものとしての
政治の姿も再編成を余儀なくされるというのである。著者のいう「リアルな政治」とは、「肉体感覚」や「皮膚感覚」を持った政治であり、著者はそれが政治的無関心で溢れた日本政治の現状を改善しうると主張している。
著者の処方箋である、国民が政治家という「個人」に「委託」することで責任意識をもって政治に「所属」すべきとする見方は、これまでの政治学者たちが主張してきた「政策」ないしマニフェストを重視するイギリス型の政治像とはまったく相反するものであることも注目される。
かくして、本書はこれまでになかった60年代論であると同時に、新たなアニメ評論、社会評論でもあり、
これからの政治像をも描く、画期的な著作である。

目次

第1部 60年代のリアル(若者たちの60年代;60年安保闘争;変わりゆく60年代;大学紛争から70年代へ)
第2部 10年代のリアル(皮膚に映る若さ;60年代は遠いか;ぼくらの10年代;リアルな政治の誕生?)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かんがく

12
10年代の東大院生が、60年代について書いた本。スカした文体がやや鼻につくものの、幅広い文献をもとに現代の若者視点で見た60年代論は刺激的。上京後の孤独や、大学の大衆化への不満を背景に、「肉体」「つながり」「リアル」を求めた若者たち。ジャズやマンガなどの文化面からも時代が捉えられており、興味が湧いた作品も多く紹介されていた。とりあえず当時の映画、小説などに触れていきたい。2021/01/10

空箱零士

8
「皮膚感覚(近づくことは出来るけど一緒にはなれない感覚)」をキーワードに、六〇年代の学生運動と一〇年代の政治感覚を論じている一冊。学生運動のデモや暴力を「皮膚」で感じ、ニコ動のコメントによる「ざわめき(動画のコメントによって解釈を変え続ける感覚)」を皮膚を経由して肉体的・精神的に生の実感を得る、その感覚で政治にコミットしようと提言しているが、個人的に身体論を「皮膚」という言葉で言い換えているだけの印象も受けた。論そのものに異論はないが、新規性のない「若者の政治語り」の域は出ていない、というのが率直な感想。2018/07/20

おおにし

7
全共闘からずっと遅れた世代である私も60年代のキャンパスの空気がつかめなかったが、この若い大学院生の時代分析で当時の雰囲気を追体験することができた。著者が言うように当時の多くの大学生は革命を起こそうという動機は持っていなかったのだろう。きっと彼らはそこに集まれば何かが起きるかもしれないというワクワク感でデモに参加したのだろうと思う。もし私がその時代に居合わせたならデモの熱気と汗(もしかして警棒の痛打)を肌に感じて、リアルな自分を実感していたことだろう。60年代ってきっといい時代だったんだろうな。2012/05/24

ポカホンタス

6
1988年生まれの東大大学院生による60年代研究。若い世代の視点で押し通されていて痛快。60年代のリアルを、既成の秩序の「ジャズ的破壊」による身体感覚(皮膚のざわつき)に見る、という観点は素朴すぎるが本質を突いていると思えた。そしてそれは現代の若者のもとめる「つながり」の感覚に直結する。今や若者たちは皮膚のざわめきというリアルを求めて「公」につながろうとしているという。ツイッターなどのネットコミュニティは川田順造が調査した無文字社会における口頭伝承の世界に近づいているという指摘も興味深い。2012/03/20

5
筆者が(学部4年のときに)毎日新聞に連載した記事をもとにした本。60年代のあれらの運動も、自分と同じ「若者」が行ったもの、というある種の彼我の近さを軸にする形で考察を進める。肉体感覚の重要性とその変化が大変おもしろい。後半は2010年代に生きる「ぼくら」につなげる。末尾の文献紹介も充実。2023/07/02

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