内容説明
私たちが日々接している日本語ってどんなことば?日本語の世界に秘められた魅力をさまざまな角度から学べるテキスト。日本語学の主要テーマを取り上げ、ことばを学ぶ面白さ、奥深さをわかりやすく解説した。
目次
日本語学への招待
第1部 日本語話者に身近な分野(日本語史;方言;敬語)
第2部 日本語の仕組み(音声;語彙;文法;談話)
第3部 研究分野の広がり(社会言語学;日本語教育;音声コミュニケーション;コーパス日本語学)
第4部 外国語との対照研究(英語との対照;中国語との対照;韓国語との対照)
著者等紹介
益岡隆志[マスオカタカシ]
1950年生まれ。1976年大阪外国語大学大学院外国語学研究科英語学専攻修士課程修了、2008年博士(文学)(神戸大学)。現在、神戸市外国語大学外国語学部教授・国立国語研究所客員教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たろーたん
1
印象深いところは、誤用に学ぶ日本語と伝わない共通語の話。誤用に学ぶ日本語については、学習者は「門の前に話しました」「東京で住んでいます」と間違うらしい。我々からしたら変と思うが、学習者からすれば、基本的に「前に・中に」「東京で・食堂で」として使うことが多く(~の前に・中に~がいる、名称の後は大抵「で」等)、そのかたまりで覚えており、誤用してしまうそうだ。我々からすれば、当たり前だと思うことだが、学習者からすれば我々の当然は当然ではなく、目から鱗だった。(続)2023/05/25
ががが
1
「近くて遠い日本語学」の比喩のとおり、当たり前になっている日本語を立ち止まって考察することで新たに見えてくることが多い。敬語の「申す」と「申し上げる」の違いとか、サ行子音の変化とか、音声コミュニケーション(ばかものーー、だけど、ばかもーーん、と叫ぶ)とか、どの章も掘り下げてある角度は以外と鋭いように思った。入門には適切かもしれない。語用論とか対照研究とかはうまく消化できなかった感じ。自分がどの分野に関心が偏っているのかも確認するいい機会になったかも。2015/04/09
blockfloete
0
日本語学の入門書としては、知る限り一番いい。 一番いいところは、編集方針として各分野の担当者がとっておきのテーマに絞って書いているところ。各分野の面白さを知ることができる。さらに、各章の読書案内が充実しているので、興味のある分野へ次の一歩が踏み出せる。 カバーしている分野は広い。文法プロパーだけでなく、対照言語学や日本語教育も扱っている。その代わり、文法プロパーは類書に比べて少ないかもしれない。生成文法に関しては『構造から見る日本語文法』などで補うとよい。2015/05/04
山がち
0
とにかく幅広い項目を扱っているというところが何よりもよかった。文法のみならず、語彙、コーパス、方言、比較言語などにまで記述が及んでいる。その分説明できるところは限られてしまうものの、興味深いところばかりを抜き出していて、薄っぺらいような印象も受けなかった。本当に「はじめて学ぶ」という言葉が似合っていたように思う。参考文献も充実していて、とても良かった。ただ、簡略化に伴って、私のように個々の問題の議論を一切把握できない人間にとっては、一つ一つの記述の背景が見えなくてもっと説明して欲しかったような所もあった。2013/06/19
kozawa
0
別に悪い本じゃないんでは。まぁ、入門時に読む本のうち一冊として。個人的によいしょすると、次はこちらもどうぞ http://theinterviews.jp/kzhr/2002147 的な2011/11/25
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