内容説明
本書は、京都大学人文科学研究所において、1998年から2001年まで3年間実施された共同研究、「空間と移動の社会史」の成果報告集である。「空間」はどのようにして形成され、維持されたのか。人は未知の空間をどのように認識したのか。人やモノは、この空間のなかでどのように移動したのか。空間内での移動のパターンと空間の構造とのあいだにはどのような関係が存在したのか。また、それらの移動のパターンはどのような要因によって、どのように変化したのか。これらの空間の構造や移動の仕組みは、その空間を支配する政治権力や人びとの社会的結合のありかたと、どのように結びついていたのだろうか。さまざまな事例を検証していく。
目次
第1部 空間を編成する(初期メソポタミアにおける領域国家の土地政策―空間の拡大;辺境と朝廷―一六世紀中国の北辺問題と中央政界 ほか)
第2部 空間を創る(マルティン・フォン・パイリスの「十字軍」―「十字軍」参加者の「十字軍」観;マゼランの大航海と世界分割―「発見」の時代におけるスペイン・ポルトガルの政治地理 ほか)
第3部 新空間に住む(中世地中海における人の移動―キプロスとクレタの「ヴェネツィア人」;国境なき民衆のライフサイクル―一六三〇年代のイーストアングリアとオランダ ほか)
第4部 空間を動く(ヤーシの留学―ポーランド貴族が西欧で学んだこと;三十年戦争における「宿営社会」―『ある傭兵の手記』を中心に ほか)
著者等紹介
前川和也[マエカワカズヤ]
1942年山口県生まれ。1968年京都大学大学院文学研究科博士課程退学。京都大学人文科学研究所教授(~2005年3月)を経て、国土舘大学21世紀アジア学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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