Minerva西洋史ライブラリー
大量虐殺の社会史―戦慄の20世紀

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  • サイズ A5判/ページ数 420p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784623045389
  • NDC分類 209.7
  • Cコード C3322

内容説明

「大量虐殺の20世紀」はまさに“戦慄の世紀”である。本書は、ジェノサイドのみならず、国家間の戦争行為とそれと連動して生じた虐殺をも含む「大量虐殺」の歴史と現実に迫るものである。戦争と虐殺の正当化、手段としての科学技術の使用、国家権力の作動という3つの問題群の相互関連性を、広義の「社会史」という視角から考察する。戦争と虐殺という過去の事実を明らかにし、その真相と原因を追究することによって、戦争と虐殺が二度と生じない諸条件を創出することをめざしている。それは、20世紀に戦争と虐殺の被害を受け、犠牲となった人たちが現代に生きる者に発信したであろうメッセージに応える作業である。

目次

大量虐殺の二〇世紀
トルコにおけるアルメニア人虐殺(一九一五~一六年)
ドイツにおけるユダヤ人虐殺(一九四一~四五年)
「クロアチア独立国」におけるセルビア人虐殺(一九四一~四二年)
韓国・老斤里における虐殺(一九五〇年)
九・三〇事件(一九六五年)とインドネシア共産党撲滅
カンボジアにおける虐殺(一九七五~七九年)―撮影日誌
クロアチア「祖国戦争」と「民族浄化」(一九九一~九五年)
ルワンダにおけるジェノサイド(一九九四年)
グアテマラにおけるマヤ民族虐殺(一九六一~九六年)
メキシコ・アクテアルにおける虐殺(一九九七年)
現代に生き続ける医学の歴史的犯罪
虐殺の研究とその克服

著者等紹介

松村高夫[マツムラタカオ]
1942年生まれ。1969年慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程修了。1976年Ph.D.in Social History,University of Warwick,U.K.慶應義塾大学経済学部教授(2007年3月まで)を経て、慶應義塾大学名誉教授

矢野久[ヤノヒサシ]
1950年生まれ。1983年Dr.rer soc in der Abt.Sozialwissenschaft der Ruhr‐Universit¨at Bochum.1985年慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程修了。現在、慶應義塾大学経済学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

梟をめぐる読書

2
ラテンアメリカでのジェノサイドを視野に入れた「虐殺史」の本って、本当に少ない。本書でも「ラテンアメリカ諸国では~明確にジェノサイドと呼べるような大量虐殺はグアテマラを除いては存在しない」(第九章)などと書かれているが、もとよりジェノサイドの定義は明確ではないわけで、件の論文の筆者も認めるように、アルゼンチンやチリでは軍政下において「国内敵」の掃討があったわけで、また現在でもメキシコやコロンビアの小村では武力紛争の部隊となる可能性が拭えないわけで。そうした視野も含めて、多くの貴重な示唆が得られた良書。2011/10/21

takao

1
ふむ2023/06/22

しゅーへい

0
加害者の今後も書いてくれるとおもしろい2014/07/01

Arte

0
さまざまなジェノサイドにつき、えらい人々が書いたものを集めた本。 世の中にはジェノサイドの定義っつうもんがあろうが、私的には「大量に」死んでなければ大量虐殺じゃないと思うので、この本の中ではアメリカ軍による朝鮮戦争時の韓国民間人虐殺だけが突出して異質な印象(しかも男性は夜陰に乗じて脱出したが、逃げられない女子供だけが死亡って一体)。グアテマラやメキシコにおける原住民虐殺も、軽い戦争状態が延々と続いているという悲惨な状況で、ジェノサイドというか何というか。2014/06/11

アーク

0
20世紀の恐るべき虐殺についての資料価値はあるけれど、いかんせん大規模虐殺のダイジェスト版のようで、ちょっと物足りない気がする。南京大虐殺とかウクライナの大飢饉を取り上げないのはなぜだろう。2014/04/20

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