“海賊版”の思想―18世紀英国の永久コピーライト闘争

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  • サイズ B6判/ページ数 229,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622073451
  • NDC分類 021.2
  • Cコード C0030

出版社内容情報

知的財産権の歴史研究として重要な一冊。18世紀英国の版権にかかわる闘いを軸に、著作権問題を史的に考察した力作。

内容説明

コピーライト永久独占を目論む大書店主に挑む“海賊出版者”ドナルドソンの肖像。法廷闘争を軸に著作権を史的に考察する。近代の草創期の出版文化史としても出色。

目次

第1章 本の「海賊」と独占(「海賊」出版者ドナルドソン;ドナルドソン書店のカタログ ほか)
第2章 コピーライトに群がるひとびと(コピーライト法ができるまで;「アン法」の中身 ほか)
第3章 一九日間の法廷闘争(ドナルドソンの戦略;闘いは上院へ ほか)
第4章 スコットランドの「悪徳な知」の系譜(スコットランドの運命の石;イングランドとの合邦 ほか)
第5章 現代への遺産(画家ラムジーのネットワーク;法律家たちの晩年 ほか)

著者等紹介

山田奨治[ヤマダショウジ]
1963年、大阪市生まれ。国際日本文化研究センター准教授、総合研究大学院大学准教授。専門は情報学。筑波大学大学院(修士課程医科学研究科)修了。京都大学博士(工学)。(株)日本アイ・ビー・エム、筑波技術短期大学助手などを経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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抹茶ケーキ

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1774年にコピーライトをめぐっておきた「ドナルドソン対ベケット裁判」の顛末。最終的にはコピーライトの独占には期限があると判断されたらしい。どちらも陣営も、筆者の権利や文化の擁護などの大義を掲げたが、(それが嘘だったというわけではないしても)その背後には私益の計算が働いていたというその様を描き出したかったみたいに書かれていたけど、現在の著作権論争も同じことだろうなと思った。2017/02/16

紅葉まんじゅう

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「この本でひとつだけ結論めいたことをいうならば、コピーライトあるいは著作権がいつかは切れるという仕組みは、天や神から与えられたものではなく、文化の独占者に挑んだ「海賊」の闘いによって、勝ち取られたものだということだろう」なるほど、と思う部分もあったけど、退屈だった。課題じゃなかったら読まなかったね2013/11/15

kozawa

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著作権の概念の黎明期の論争が現在への参考になるのではないかと。2009/11/19

sayanu

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18世紀のロンドンで議論された「コピーライト」は誰にあるのか、いつまで持てるものなのかを小説風に書き上げてある。印刷技術自体が普及したの自体がここ300年の歴史であり、リプリントできるようになってから初めて著作権が議論されたのだ、ということを思い出させてくれた。文化保護のためには完全フリーとなるべきコンテンツにかける制限とは何なのか。メディアの変遷と共に考えるポイントをもらった。今後、ブロックチェーン管理などになればもっと違う課金と管理の仕方ができるはずだ。その時にまた著作権法は大きな変化をするのだろう2018/01/12

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