喪失とノスタルジア―近代日本の余白へ

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  • サイズ A5判/ページ数 288,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622072744
  • NDC分類 161.04
  • Cコード C1014

内容説明

どこにも帰属しえない“居心地の悪さ”こそが、他者と、死者と、共同性と、異文化とつながる唯一の絆となりうる。近代日本という歴史経験の根源をさぐる。

目次

プロローグ どこにもいないあなたへ―歴史と宗教の生じるところ
1 身近さへの回帰
2 内面と余白
3 死者と生者
4 中空の帝国
エピローグ 二隻の舟―過去に向き合うこと、そして表現行為

著者等紹介

磯前順一[イソマエジュンイチ]
国際日本文化研究センター助教授。静岡大学人文学部日本史・考古学専攻卒業。東京大学大学院人文科学研究科宗教学専攻博士課程中退。歴史、宗教、文学などの諸実践・言説を横断しながら、人間のつながりと表現行為の意味を模索している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

スミス市松

10
「私」と「あなた」が分かりあうことの難しさについて、「どこにもいないあなた」に語りかける特異な評論集。小さい頃から「今体験したことを私はこの先ずっと覚えているだろう」と考える面倒くさいタイプの人間で、「喪失」と「ノスタルジア」には割と悩まされてきた方だと思っている。一時はこんな生き方じゃそのうちくたばる他ないと観念したものだが、最近になってようやく――依然として孤独ではあるが――人と人との関係とは「完全に分かりあえることもなければ、全く分かりあえないということでもない」のが実情であると分かってきた。2014/11/24

mittsko

8
本書の「プロローグ」と「エピローグ」が、磯前さんの文章のなかで一番好きだ。いずれも日本女子大学での講義ノートだとの由。 ※ 磯前先生の編著を何冊か読んだので、久しぶりにこちらの単著を本棚からひっぱりだしてきた。ゼロ年代に各所で発表された論文9本を、改稿のうえ集めたもの。07年刊。磯前先生は、これらの論文の直後、ポストモダニズム、ポスト植民地主義、ポスト世俗主義を全面に掲げるようになる。本書ではまだそれは現れない。その直前の、恐ろしいほどの内的緊張と葛藤が迫真の筆致で綴られ、その後をつよく予期させる2021/02/12

メルセ・ひすい

1
9-29 ★5  文化のはざ間でユダヤ系アメリカ人は宗教的な信条ゆえに濃厚なキリスト教文化には帰属意識をもつものの、キリスト教的な合衆国に違和感を感じており、日本という非西洋社会の研究に強い関心を持っている。・・・ 個々人が歴史に関わるよすがとしての喪失とノスタルジア。それらの視点から、柳田国男の祖霊信仰、石母田正の民族論、靖国神社、天皇制など、近代日本の言説を論じ、その歴史体験の根源を探る。2007/10/15

よこづな

0
「あなた」が安い。2009/07/15

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