出版社内容情報
「われわれの眼に映るアフガニスタンは、決して美しくない。侵略や内政干渉、果てることのない内戦、過激な宗教運動と国際テロの跳梁、おびただしい数の難民、女性差別など目に余る人権侵害――アフガン紛争は、現代世界が抱えるあらゆる問題の展示場だ。……けれど、この醜悪ともいえるイメージこそ、実はわれわれ自身の姿の投影に過ぎないと知る者は、いったい何人いるのだろうか……」(「はじめに」より)
本書は、世界初公開の資料を駆使し、和平の現場から20余年にわたる国連や加盟国の試行錯誤の経緯を余すことなく描き出した、アフガニスタンにおける国連和平活動の集大成である。
アフガン紛争ほど、世界の実像を正確に映す鏡はない。紛争を通し、超大国や周辺国の独善的な政策や、国際社会の事なかれ主義が見事に炙り出された。紛争はまた、日本外交の限界と可能性をも鮮明に映し、冷戦後の世界に生きる日本と国際社会の関わりのあり様を、問うて止まない。
アジアをはじめとする国際社会との連帯が日本の生きる道であるとするなら、広く多くの日本人が、国連和平活動の実態を理解する必要性は、飛躍的に増大したのではないだろうか。
「決然たる努力なくして、平和は守れません。この本は、和平活動の全容を鮮やかに描き出しており、私たち日本人にとって、国際貢献を考えるための必読の書です」 ―― 緒方貞子氏推薦の言葉より
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川端清隆(かわばた・きよたか)
1954年大阪生まれ。国連本部政務官(アフガニスタン担当)。米国コロンビア大学大学院政治学部卒業。82年より88年まで時事通信記者。88年より国連本部の政務官となり、安全保障理事会、PKOに関する特別委員会、安保理改組に関する特別作業部会など、一貫して安全保障問題を担当。94年に国連ルワンダ支援団(UNAMIR)の政治顧問を務めた後、95年より国連本部政治局でアフガン問題を担当する。現在、ブラヒミ事務総長特別代表(アフガニスタン担当)の補佐官を務める。共著に『PKO新時代――国連安保理からの証言』(岩波書店、1997)がある。
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関連書:
千田善『なぜ戦争は終わらないか―ユーゴ問題で民族・紛争・国際政治を考える』
E.W.サイード『戦争とプロパガンダ』
E.W.サイード『戦争とプロパガンダ2―パレスチナは、いま』
J.ゴイティソーロ『嵐の中のアルジェリア』
内容説明
本書は、世界初公開の資料を駆使し、和平の現場から二十余年にわたる国連や加盟国の試行錯誤の経緯を余すことなく描き出した、アフガニスタンにおける国連和平活動の集大成である。
目次
第1章 アフガン紛争の背景
第2章 冷戦後の国連和平活動
第3章 国連アフガニスタン特別ミッション・前期(一九九四‐九六年)
第4章 国連アフガニスタン特別ミッション・中期(一九九七‐九八年春)
第5章 国連アフガニスタン特別ミッション・後期(一九九八年夏‐九九年)
第6章 タリバンの変貌と終わりの始まり(二〇〇〇‐二〇〇一年)
第7章 達成された和平
第8章 新生アフガニスタンの誕生
著者等紹介
川端清隆[カワバタキヨタカ]
1954年大阪生まれ。国連本部政務官。米国コロンビア大学大学院政治学部卒業。時事通信記者を経て1988年に国際公務員となり、安全保障理事会、PKOに関する特別委員会、安保理改組に関する特別作業部会など、一貫して安全保障問題を担当。1994年に国連ルワンダ支援団(UNAMIR)の政治顧問を務めた後、1995年より国連本部政治局でアフガン問題を担当する。現在、ブラヒミ事務総長特別代表(アフガニスタン担当)の補佐官を務める
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