日帝時代、わが家は

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  • サイズ B6判/ページ数 215p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622048602
  • NDC分類 929.16
  • Cコード C1098

出版社内容情報

人生のよき先輩であり、友人のようでもあった穏和な父には、厳しい抗日運動家としての若き日があった。父の妹は、洋画家の草分けとして脚光を浴び、「新しい女」として注目を集めたが、それゆえに試練の日々を送らざるをえなかった。 裕福な家に生まれた父・羅景錫は一四歳で因習的な結婚を強いられ、併合の年に日本へ留学した。やがて大杉栄を知り、社会主義に希望を抱く。帰国後三・一運動に参加し当局の監視下に。その後、ウラジオストク、奉天と舞台を移し、波瀾の人生を歩んだ。

おば・ヘソクもまた文筆に優れ、時代に先んじた女性だった。絵画に打ち込んだパリでの幸福な経験は、しかし思わぬ暗転の機縁となる。

かつて李光洙に英語の手ほどきを受けた著者は文学の道を選んだ。朝鮮戦争の苦難、復興と民主化の長い道のりを経たいま、改めて父の時代を振り返れば、そこに浮かぶのは日本の影である。

「いま私たちは、感情にゆがんだ鏡ではなく、ありのままに見える鏡に映し出された自分の姿を見つける必要がある。」

新しい両者の関係を願って書き下ろしたある家族の体験的20世紀史。

羅英均(ナ・ヨンギュン)
1929年満州・奉天(現在の中国・瀋陽)に生まれる。梨花女子大学院英文学科博士課程修了。韓国英語英文学会会長、現代英米小説学会長、シェイクスピア学会編集理事等を歴任。1994年には国民勲章牡丹章を授与される。主な著書『コンラッド研究』『戦後英米小説の理解』『バージニア・ウルフ』『ジョセフ・コンラッド』『眼鏡越しの世界』。主な訳書『ダロウェイ夫人』『若き芸術家の肖像』『闇の奥』など。

小川昌代(おがわ・まさよ)訳
1965年東京に生まれる。西江大学国語国文学科卒業。翻訳者。

内容説明

裕福な家に生まれた父・羅景錫は14歳で因習的な結婚を強いられ、併合の年に日本へ留学した。やがて大杉栄を知り、社会主義に希望を見出す。帰国後三・一運動に参加し当局の監視下に。その後、ウラジオストク、奉天と舞台を移し、波瀾の人生を歩んだ。おばもまた文筆に優れ、時代に先んじた女性だった。絵画に打ち込んだパリでの幸福な経験は、しかし思わぬ暗転の機縁となる。かつて李光洙に英語の手ほどきを受けた著者は文学の道を選んだ。朝鮮戦争の苦難、復興と民主化の長い道のりを経たいま、改めて父の時代を振り返れば、そこに浮かぶのは日本の影である。新しい両者の関係を願って書き下ろした、ある家族の体験的20世紀史。

目次

1 背景
2 少年時代
3 日本で
4 晶月と三・一運動
5 活動
6 物産奨励会
7 奉天にて
8 晶月の離婚
9 第二次世界大戦と解放
10 朝鮮戦争
11 終章

著者等紹介

羅英均[ナヨンギュン]
1929年満州・奉天(現在の中国・瀋陽)に生まれる。梨花女子大学大学院英文学科博士課程修了。韓国英語英文学会会長、現代英米小説学会長、シェイクスピア学会編集理事等を歴任。1994年には国民勲章牡丹章を授与される

小川昌代[オガワマサヨ]
1965年東京に生まれる。西江大学国語国文学科卒業。翻訳者
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。