近代中国通貨統一史―十五年戦争期における通貨闘争

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  • サイズ A5判/ページ数 2冊/高さ 23X17cm
  • 商品コード 9784622037835
  • NDC分類 337.222
  • Cコード C3033

出版社内容情報

日中戦争下の日本・中国・共産政権の通貨闘争から、人民幣による統一までの過程を克明に追う。

内容説明

戦争では武力による戦闘の陰で通貨の闘いもまた激烈を極めた。十五年戦争期の中国においても、国民政府の通貨=法幣を中心に、日本側の軍票・聯銀券・満銀券・儲備銀行券、そして共産政権の抗日根拠地のソビエト貨幣の間で三つ巴の抗争が展開した。しかし敗戦とともに日系通貨は崩壊し、法幣に吸収され、中華人民共和国が成立して、法幣も人民幣に最終的に統一される。本書は、この近代中国の通貨統一の過程を、膨大な逐次刊行物の記事、外交・金融関係の未公刊文書に克明に追う。通貨制度・通貨政策の展開、通貨価値の推移が明らかにされるとともに、近代日本の東アジアにおける軍事的植民地建設の営為も鮮明に示されるであろう。

目次

序篇(開題;1930年代初頭の通貨情勢)
第1篇 統一通貨法幣の成立(幣制改革への胎動;幣制改革の実施)
第2篇 分裂通貨の出現(満銀券の確立;ソビエト通貨の出現;華北における日系通貨の蠢動)
第3篇 全面的通貨闘争の展開 上(聯銀券の確立;共産系通貨の簇生;華中における通貨混乱;通貨価値安定の闘争;儲備券の発行)
第4篇 全面的通貨闘争の展開 下(円ブロックの形成;儲備券による華中通貨の統一;通貨増発・インフレの進展;特異なインフレ対策)
第5篇 法幣による再統一(日系通貨の終末;光復後の通貨対策;第2次幣制改革の失敗)
第6篇 人民幣による最終統一(解放区通貨の統合;人民幣の安定工作)