出版社内容情報
日本で初めての女性オリンピックメダリストの壮絶な生涯!
1928年アムステルダムオリンピック――。
オリンピックでは、この大会ではじめて、
陸上競技に女子選手が参加できるようになりました。
日本から出場した女子選手は、人見絹枝ただ一人。
当時21歳だった彼女は、国の期待を一身に背負い、
100メートル走に出場します。
しかし、金メダルを期待されていたにもかかわらず、
まさかの予選敗退……。
泣きながら一夜を明かしたあと、念のために選手登録していた
800メートル走に出場することを決意。
のちに「死の激走」と言われる壮絶な戦いをくりひろげました。
800メートル走で見事銀メダルを獲得し、一躍英雄となった彼女は、
帰国後、女子スポーツの普及に力を尽くします。
女性競技者への偏見、大きすぎるプレッシャーを背負いながらも、
国民の期待に応えるため、また、女性のスポーツ振興のために、
命を削って闘いぬいた女性の一生を通して、
女性の生きかたを考える一冊。
☆巻末には、オリンピックの歴史や当時の時代背景など、
充実した記事ページが入り、調べ学習にもおすすめです。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
33
一年生の時からずっと選抜リレーに選ばれている娘さん、やっぱり今年も選ばれました。ちょっと飽きてきたようなのでタイミングもいいかな、とこちら。まだ女性にオリンピックが開かれていなかった頃から努力し、選手としても立ち上げの創設者の一人としても活躍し、たった24歳で亡くなった人と知り驚きました。家族の理解と温かい支援・見守りがいかに大切かが良くわかる数々のエピソードに、親も学ばせてもらいました。…娘を守るために競技をやめさせる親御さんの話は、現在もありそうだな、と思ったり。2023/04/30
にゃんた
27
地元岡山の有名人、娘の高校の同窓生でありながら名前しか知らないような状況だったので、改めて深く知るべくこの本を。走ってるイメージだったけれど、いろいろな種目で記録を残されていることに改めて感動。日本の女子体育にとっての開拓者だったのですね。若くして亡くなられていたことも非常に残念。もっと岡山で人見絹江さんについて学ぶ機会を増やすべきなのではとも思った。2021/02/02
RX78
17
あかん涙出た。大河で知名度もあがったかなと思いますが、地元なのでお墓に行ったこともあります。ドラマチックに描きすぎているところもあるのかもしれませんが、当時の日本で女子スポーツを広めるのはたいへんだっただろうなと思います。頑張りすぎたんだろうな…。今年こそオリンピック開かれることを祈っています。2021/01/17
えすてい
8
日本女性初のオリンピックメダリスト。岡山県出身で運動神経抜群の少女が、女学校でテニスを始め、そして陸上に転向する。陸上で次々と記録を打ち出し、女子オリンピックでその名を上げ、1928年アムステルダムオリンピックで陸上に女子への門戸が開かれ、事実上の「飛び入り」の参加だった女子800mで銀メダル獲得。しかし、病のため夭折してしまった。ところで、前畑秀子の伝記化はまだ実現しないのかな?他社オムニバス伝記では取り上げられたが。また今年は朝ドラにちなんでの古関裕而の伝記はどこの出版社もまだ出してないようだが?2020/05/21
りるふぃー
5
こんなに若くして亡くなられていたとは…頑張りすぎてしまったような…2022/08/01