ザ・ディスプレイスト―難民作家18人の自分と家族の物語

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ザ・ディスプレイスト―難民作家18人の自分と家族の物語

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  • サイズ B6判/ページ数 255p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784591162125
  • NDC分類 934
  • Cコード C0098

出版社内容情報

難民としての出自を持つ世界の作家18人が、「場所を追われる」ことで失った人生の物語を編みなおす、異色のアンソロジー。

内容説明

ぼくの生きる場所がこの世界にありますように。世界各地の難民作家が描く「場所を追われた者」たちの物語。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

143
「でも、やっぱり仕方ないのよ、生まれた国じゃないのだから。それを抱えていくしか」 難民作家~親と国境を越えて、自分の国から逃れて、他の国で書くことで成功をした18人が語る。彼らの言うことに耳を傾けた上で、そう思う。彼ら自身もそうであると分かっていて、しかし敢えて文字で記す。ただ、トランプが選出されたことで感情的になっている部分もあるように思う。ベトナム、タイ、アフリカ出身の作家たちの文章には私の奥の方が呼応した。それでも自国に残った人達もいる。だから、彼らはdisplacedになる。2019/03/12

どんぐり

92
6月20日の「世界難民の日」、紛争や迫害で国を追われた難民が過去最多の約7950万人(昨年末時点)を記録した。本書は18人の作家が、自身が難民となった過去と家族の記憶に向き合う物語である。アフガニスタン、ヴェトナム、アルゼンチン、ウクライナ、メキシコ、エチオピア、ボスニア、ハンガリー、イラン、ジンバブエなどから国を追われ、愛するものを失い、アイデンティティを喪い、移住先での同化に伴う葛藤を抱え、「場所を追われたトラウマと、移住先で待ち受けていたトラウマ的経験」を語っている。作家にとっては、よそ者であること2020/06/17

藤月はな(灯れ松明の火)

87
「移民でいる十三の方法」や「恩知らずな難民」は難民に対するステレオタイプで一種の傲慢な考えが突かれているのでドキリとする。「とどまることのできる親」も『新しい名前』でも描かれていた亡命先に馴染めない親世代と適応していく子供の断絶が指摘されている。「神の運命」はケマレミール(ケマル)氏の語った人生の余りの壮絶さに絶句。しかし、遠回りだとしても彼がちゃんと幸せと故郷との縁を掴めたのは確かなのだ。また、「トランプの壁は作られる前から・・・」の指摘に思わず、手を打ちました。2019/04/26

ヘラジカ

65
18人の難民作家が語る紛れもない現実の物語。一人を除いてほぼ全てが短い自伝であり、その経験は感想を挟む余地がない程に壮絶。ここまで文章に重みがあるエッセイ集が他にあるだろうか。以下、上記の例外であるアレクサンドル・ヘモンの引用。「移住は物語を生む。場所を追われる経験、その一つひとつが物語となる。一つひとつの物語がほかと異なる。(中略)ここにたどり着いた一人ひとりが、解体され再生された記憶、歴史、感情、痛み、喜び、罪、思想が絡まり合った物語である。(中略)難民の世界は物語からなる広大な風景だ。」2019/02/13

pohcho

43
18人の難民作家によるエッセイ。当たり前のことだが、難民と言ってもひとくくりにすることはできない、本当に様々な物語がある。「神の運命」のケマルのあまりにも数奇で波乱万丈な人生に驚き、「移民でいる13の方法」のキャベツ畑人形のエピソードが印象的で、「恩知らずの難民」はとても切なく、考えさせられた。どれも短い文章なのだが、恵まれた日本に暮らす自分からは想像もつかない世界が広がっていて、読み応えがあった。2019/03/06

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