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百年文庫

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  • サイズ B40判/ページ数 155p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784591121726
  • NDC分類 908.3
  • Cコード C0393

内容説明

ロンドン郊外の「幽霊屋敷」に合理主義の権化のようなアメリカ公使の一家が入居した。「輝かしい閲歴」をもつ幽霊は家人を怖がらせようと必死になるが…(ワイルド『カンタヴィルの幽霊』)。領地に出没する「裸の少年」の戦慄すべき正体(サキ『ガブリエル・アーネスト』)。怒りにまかせ悪口雑言を浴びせかけるかと思えば、うろたえ「泊まっていってくれ」と哀願する屋敷の主人。不気味さをこらえ「客」となった男が語る、恐るべき物語(ウォルポール『ラント夫人』)。超現実の闇とユーモア、奇々怪々の三篇。

著者等紹介

ワイルド[ワイルド][Wilde,Oscar]
1854‐1900。イギリスの詩人、小説家、劇作家。アイルランドのダブリンに生まれ、オックスフォード大学在学中より詩作を始める。派手な服装や言動で注目を浴びるが、男色罪による獄中生活後は不遇な晩年を送った

サキ[サキ][Saki]
1870‐1916。イギリスの作家。本名はヘクター・ヒュー・マンロー。父の赴任先だったビルマ(現・ミャンマー)に生まれ、イギリスで伯母に育てられる。警察官、海外特派員生活を経て作家に。オー・ヘンリと並ぶ短篇小説の名手として評価されたが、第一次世界大戦で戦死

ウォルポール[ウォルポール][Walpole,Hugh]
1884‐1941。イギリスの作家。ニュージーランドに生まれる。ケンブリッジ大学を卒業後、教師の傍ら執筆を開始(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

帽子を編みます

65
図書館の百年文庫はクリーム色のカバーで澄ましていますが、カバー下は恐ろしげなイラストです。「幽」幽霊、幽鬼の巻でしょうか。私には生きている人間の方が怖いのか、読んだ瞬間から幽かにぼやけていくような気がします。ワイルド「カンタヴィルの幽霊」なぜアメリカ人って幽霊を放っておかないのでしょうか。サキ「ガブリエル・アーネスト」いつもは怖くないのです、でも今日は夕陽が綺麗だったのでゾクッと感じました。ウォルポール「ラント夫人」気味が悪い招待、よく受けますね。私なら即帰宅します。どれも話が噛み合わないのが怖いです。2022/12/08

モモ

53
オスカー・ワイルド『カンタヴィルの幽霊』アメリカ公使オーティス氏がイギリスのカンタヴィル屋敷を家具類と幽霊ひっくるめて買いとった。オーティス家の人々は幽霊を怖がらない。逆に、うるさいと枕を投げられ逃げる幽霊。やがて明かされる幽霊になった理由。映画化したら面白そうと思ったら、既に何度も映画化している名作。サキ『ガブリエル・アーネスト』は昔の怖い映画に出てきそうな話。ウォルポール『ラント夫人』はブロンテの『嵐が丘』を思い出させるイギリスの怪談話。舞台が荒野から海辺に変わった安定の怖さ。『幽』もとても良かった。2020/08/02

あじ

49
世界の名短篇を三篇づつ束ねた「百年文庫」シリーズ。今回は特に【幽】が秀でていたのでご紹介します。サキとウォルポールが淀みに浮かぶ幽暗を描いた一方、鬱状態に陥ったゴーストに救済の手を差し伸べたワイルド。ゴーストの存在を恐れるどころか、からかいの的にした一家との終始を、ハートウォーミングに仕上げています。寒暖差が心憎い編纂でした。(11冊目読了/100冊中)2017/12/01

臨床心理士 いるかくん

44
3人の作家の3篇から成るアンソロジー。この世とこの世の向こう側には暗くて深い深淵があるのかどうか。単なる幽霊譚というより我々を違う世界に否応なく引きずり込む奇譚集として読みたい。2014/12/19

マッキー

21
イギリス作家3名によるホラー短編集。だけれども、日本の「怪談」や「ホラー小説」とは全然テイストが違って面白い。コミカルでシュールだったり、奇妙だったり、ミステリ要素が強かったり。2018/01/08

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