百年文庫

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  • サイズ B40判/ページ数 157p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784591121443
  • NDC分類 908.3
  • Cコード C0393

内容説明

盟友の娘の婚礼に出席した池田は、人生の花盛りを知らずに夭折した姪・柚子を思うと無念でならない。しかし、生前の柚子には叔父に隠し通したある秘密があった(久生十蘭『春雪』)。辛く惨めなお屋敷勤めを「明日こそ!」飛び出してやろう、と夢見る住み込みの家庭教師オルガ(チャペック『城の人々』)。医学士ソロドフニコフは、突如、見習士官ゴロロボフに科学的には解決できない難問を投げかけられ、思索に耽る(アルツィバーシェフ『死』)。手の届かぬ場所へ、願いを捧げ続ける人々の物語。

著者等紹介

久生十蘭[ヒサオジュウラン]
1902‐1957。北海道函館生まれ。函館新聞社に入社後、上京し岸田国士に師事。渡仏して演劇を研究する。帰国後は雑誌「悲劇喜劇」の編集に従事し、「新青年」で推理小説、伝奇小説を発表した

チャペック[チャペック][Capek,Karel]
1890‐1938。チェコの作家。ボヘミア生まれ。ジャーナリストの傍ら小説・戯曲を発表した。主な作品に「ロボット」という言葉を生み出した戯曲『R・U・R』ほか

アルツィバーシェフ[アルツィバーシェフ][Artsybashev,Mikhail]
1878‐1927。ロシアの作家。トルストイやドストエフスキーの流れを汲む『ランデの死』で文壇に登場。後に近代主義のなかで、性の解放を唱えた『サーニン』、虚無的な人間を描いた『最後の一線』を発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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