内容説明
結婚を控えた男が友人と語りあううち、風邪で寝込む許婚者の容態が気になり始める。春の冷たい雨の中、家へと急ぐ男の不安は果てなく広がり…(夏目漱石『琴のそら音』)。芸者街から忽然と姿を消した名妓「きみ子」。激動の維新期に覚悟をもって生き抜いた女性の潔い愛の物語(ラフカディオ・ハーン『きみ子』)。初冬の月夜、人力車にのって坂をくだる病の子規が、人波とまばゆい明かりをつきぬけていく美しい瞬間(正岡子規『熊手と提灯』ほか三篇)。情趣深き文章世界。
著者等紹介
夏目漱石[ナツメソウセキ]
1867‐1916。江戸・牛込生まれ。本名は金之助。大学卒業後、教師生活や英国留学を経て、1905年に『吾輩は猫である』を発表。07年、東京朝日新聞社入社後、『夢十夜』『門』などが次々に同紙に掲載された
ハーン,ラフカディオ[ハーン,ラフカディオ][Hearn,Lafcadio]
1850‐1904。ギリシャ生まれの作家、批評家。イギリスとフランスで育ち、19歳でアメリカに渡る。新聞記者として長年活躍した後、1890年に来日、96年に帰化して小泉八雲に改名。その著作を通じて日本を世界に紹介した
正岡子規[マサオカシキ]
1867‐1902。伊予・松山生まれ。本名は常規(つねのり)。新聞「日本」や俳誌「ホトトギス」を舞台に、俳句や短歌の革新をおこなって、多くの俳人・歌人に影響を与えた。評論や随筆でもすぐれた作品を残している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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