内容説明
荒れ放題の「私」の庭は、鶏も犬も自由に通り、時には馬すら横切っていく。庭に出没する「隣人」たちの生態をユーモラスに描いた『庭の眺め』(梅崎春生)。一心不乱に庭づくりに没頭する妻の心が理解できない夫の愛と苦しみ(スタインベック『白いウズラ』)。「あなたは金魚屋さんの息子さんの癖に、ほんとに金魚の値打ちを御承知ないのよ。」美しく成長した幼なじみに煽られ、絢爛豪華な金魚を生みだそうと苦心する青年の恋と夢(岡本かの子『金魚撩乱』)。小宇宙のような庭を巡る三篇。
著者等紹介
梅崎春生[ウメザキハルオ]
1915‐1965。福岡市生まれ。東大国文科を卒業後、海軍に召集され、暗号特技兵などを務める。1946年、その体験をもとにした『桜島』を発表、一躍戦後派文学の代表的存在となる。54年の『ボロ家の春秋』で直木賞受賞
スタインベック[スタインベック][Steinbeck,John]
1902‐1968。アメリカ・カリフォルニア州生まれの作家。新聞記者など職業を転々とした後、1929年に第一作『黄金の杯』を発表。『二十日鼠と人間』『怒りの葡萄』などがベストセラーに。62年にノーベル文学賞受賞
岡本かの子[オカモトカノコ]
1889‐1939。東京・青山生まれ。与謝野鉄幹・晶子に師事して歌人として活躍し、1936年、小説『鶴は病みき』で小説家デビュー。仏教研究に打ち込んだことでも知られている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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新地学@児童書病発動中
藤月はな(灯れ松明の火)
えみ
mii22.
モモ