内容説明
凍てつくような冬の夜、汽車に乗り込んだ若い娘は同席した客の荒んだ気配にたじろぐ。車中の会話に人生の悲哀がのぞくカポーティの『夜の樹』。戦後の安酒場、暗い背中をした男の哀しい出来事(吉行淳之介『曲った背中』)。家族に災難がつづき自立を余儀なくされたペンキ屋の息子ウィルは、就職口を見つけようと故郷を旅立つ。大人社会に飛びこんだ少年の覚悟と出会いの物語(アンダスン『悲しいホルン吹きたち』)。心の奥に流れるブルースのような三篇。
著者等紹介
カポーティ[カポーティ][Capote,Truman]
1924‐1984。アメリカの作家。ルイジアナ州生まれ。少年時代から作家を志し、デビュー短篇『ミリアム』で注目を集める。ベストセラーを記録した『冷血』で、ノンフィクションノベルというジャンルを開拓
吉行淳之介[ヨシユキジュンノスケ]
1924‐1994。岡山市生まれ。東大文学部英文科中退。雑誌編集者を経て、『驟雨』で芥川賞、『暗室』で谷崎潤一郎賞、『夕暮まで』で野間文芸賞を受賞。性を主題にした小説のほか、対談やエッセイの名手としても知られた
アンダスン[アンダスン][Anderson,Sherwood]
1876‐1941。アメリカの作家。オハイオ州生まれ。シカゴの文学運動に加わり、1919年発表の『ワインズバーグ・オハイオ』で名を成す。ヘミングウェイ、フォークナー、スタインベックなど、後の作家に大きな影響を与えた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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藤月はな(灯れ松明の火)
mii22.
えみ
モモ
こばまり