内容説明
料理に骨董、三味線に歌舞伎…翻訳しているヒマがない?人気翻訳家の最新エッセイ集。三浦しをん氏との「文楽対談」も収録。
目次
1 食のさじかげん(たぬきそばの不思議;サンドイッチと鉄火巻き ほか)
2 言葉のさじかげん(ミスコンテスト;読書マラソン ほか)
3 翻訳のさじかげん(英語コンプレックス;使えなくなった言葉 ほか)
4 数奇のさじかげん(カード・マジック;タロットをめぐる「大論争」 ほか)
著者等紹介
金原瑞人[カネハラミズヒト]
1954年、岡山県生まれ。法政大学社会学部教授、英米文学翻訳家。ヤングアダルトを中心に幅広いジャンルの作品を精力的に翻訳(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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らぴ
26
訳書を読んでも感じていた、そこはかとないユーモア。自身のエッセイとなると素晴らしくおもしろい! 米原万里さんなどもそうだけれど、言葉に関する仕事をする人はそこを掘り下げていくので、知識が豊富。それをおもしろいエッセイにできる人は一握りかも知れないが、金原氏のキャラクターもユニークなので読んでいて楽しい。2010/08/18
shikada
22
翻訳家が、言葉の難しさ・面白さ・不思議さを語る一冊。金原さんのエッセイは滋味深い。やはり翻訳家の方は、ひとつひとつの言葉に対して高く深くアンテナを張っている。その言葉がどうやって生まれ、どういう意味で使われているのか、常に掘り下げて考えているんだろう。また読書量も凄まじく、金原さんのおすすめする本は粒ぞろい。本書で紹介されていた岡本勝の禁酒法の本も、非常に面白かった。巻末の、金原さんと三浦しをんの対談も良かった。2020/02/01
るすみら
15
タイトルと内容があんまり関係無いかな?って点はさておき、おもしろい本でした。歌人、塚本邦雄の話がちらっと出てくるんだけど、このごろ彼の歌、読んでなかったなあ、と思い本をひっぱりだしてみたり、文中でてくる邱永漢の「食は広州にあり」や檀一雄の「檀流クッキング」を改めて読み直したり、読書欲がけっこう煽られるエッセイ。個人的にはウラヌス星風と種村季弘のタロットを巡る論争と昭和の陶器贋作事件「永仁の壺事件」が興味深い。それにしても、本自体にカラクリがある「生者と死者」(泡坂妻夫著)、読んでみたいなあ!2009/06/24
ジュール リブレ
13
英語の翻訳家のかた、の本ということで、英語のうんちくばかりかな、と思っていたら中国古代史あり、骨董品とのつきありあり、いろんなこと知っている人だなぁと感心。三浦しをんさんとの対談までついてくる。2010/08/07
たくのみ
11
アシモフのエッセイの秀逸さを紹介したかと思うと、日本の「鉄火巻」もその名の通り、「鉄火場」での腹の足しになる食べ物で…翻訳のプロから見た、日常の言葉や慣用句の話、さらにはシェイクスピアの古典のネタや、文楽の話まで。実に幅広い。巻末の、三浦しをんさんとの文楽対談では、ガンダム義太夫を作ったら?なんて話も。言葉の世界から、世の中を見る楽しさが伝わる本でした。2015/01/08