目次
第1章 解放と包摂の理論―正常性批判から新たな社会の構想へ
第2章 性について考え、語るうえで大切なこと―「男女」と「色恋」の現在
第3章 「同性婚」のいま―国際法からみる日本の現状
第4章 日本におけるLGBTの権利擁護運動とアート―dumb type『S/N』をきっかけに
第5章 エイズ・アクティヴィズムから結婚の平等運動へ―アメリカ演劇を通して
第6章 LGBTとネオリベラリズム―同性婚は「特権」か、それとも公平な社会の実現か
著者等紹介
山田創平[ヤマダソウヘイ]
京都精華大学人文学部准教授
樋口貞幸[ヒグチサダユキ]
NPO法人アートNPOリンク常務理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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aof
4
フーコーの「知への意志」からの解放と包摂の理論の話がすごくおもしろかった。 カミングアウトという行為により、自らの中に性についての真理があると思ってしまう。でも、このカミングアウト(性にまつわる言語実践)こそ、問題を生み出し、管理する対象をあぶり出し、権力を生み出す仕掛けになっている、、、という指摘が目から鱗というか、フーコー天才や!というか、フーコーが真理とディスクールにこだわる意味がやっとわかった!と思って、めちゃおもしろかった。 知への意志、読みたいわー。2020/07/20
かす実
0
ダムタイプの展示を見に行った時に購入した冊子。釜芸で性教育の講座をやった人の文章も載っていた。S/N制作時のエピソードが詳細に書かれていて、制作のプロセスそのもの、制作陣が共有した問題意識や葛藤や思考それ自体が、出来上がったパフォーマンス以上に価値あるもののように思えた。我々はその結果の一点だけを享受しているにすぎない。こういう領域横断的なクリエイティブコミュニティは京都の地域柄だ、東京は何もかも細分化されすぎている。他にも同性婚事情に関する章やフーコーのセクシュアリティ観など興味深いテキストが多かった