叢書・ウニベルシタス
歴史の天使―ローゼンツヴァイク、ベンヤミン、ショーレム

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  • サイズ B6判/ページ数 284,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784588007651
  • NDC分類 201.1
  • Cコード C1310

出版社内容情報

18世紀来の歴史主義を根底から批判する三人の代表的なユダヤ思想家を相異なる方位から省察,シオニズム,パレスティナ問題の展開の多様な局面を明らかにする。

内容説明

ローゼンツヴァイク、ベンヤミン、ショーレムにおける歴史の思考を通して、ドイツ・ユダヤ思想、シオニズム、パレスティナ問題の展開の多様な局面を明らかにする。

目次

第1部 フランツ・ローゼンツヴァイク―西欧の裏面(異化;真に受けられたヘーゲル;ユートピアと救済)
第2部 ヴァルター・ベンヤミン―歴史の三つのモデル(根源の隠喩―理念、名前、星;美的モデル;歴史の天使)
第3部 ゲルショム・ショーレム―秘密の歴史(メシアニズムの数々のアポリア;カフカ、フロイトと伝承の危機;言語と世俗化)

著者等紹介

モーゼス,ステファヌ[モーゼス,ステファヌ][Mos`es,St´ephane]
1931年ベルリン生まれのユダヤ人。ナチス政権下に両親とモロッコへ逃れ、45年フランスに移住。パリのエコール・ノルマル・シュペリユール卒業後、57年にドイツ語・ドイツ文学の高等教授資格を取得し、ソルボンヌから70年に第三課程文学博士号を、79年に国家文学博士号を授与されている。64‐68年パリ第十大学ナンテール校で教鞭をとり、67年の第三次中東戦争を契機に69年イスラエルに移住し(71年までパリの「国立科学研究センターCNRS」研究員)、71年から97年に引退するまでヘブライ大学を研究活動の場とした。97年同大学名誉教授。また同大学付属の「フランツ・ローゼンツヴァイク研究センター」のセンター長も務めた(90‐98年)。この間、ドイツやフランスの大学で客員教授として教鞭をとり、現在モーゼスは、「フランス語圏ユダヤ知識人会議」をはじめヨーロッパ各地での様々な文化会議やシンポジウムで精力的に活動している

合田正人[ゴウダマサト]
1957年生まれ。一橋大学社会学部卒業。東京都立大学大学院博士課程中退。現在、同大学人文学部助教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Bevel

1
ヘーゲルのキリスト教的時間感覚に対する反抗として、ローゼンツヴァイクとベンヤミンとショーレムがどのようにユダヤ的な考え方を組み上げたかを説明するといった感じ。書簡資料をよく使うからか、視点がおもしろかった。そして、この人、読ませるのがうまい。2010/01/29

しお

0
ヘーゲルを筆頭に弁神論的な態度とともに共有されてきた連続的な歴史観が20世紀を境に危機を迎えた頃(第一次大戦)のユダヤ系思想家三人の(現在性ないし無限性というトピックを伴う)緻密な整理がなされる。書簡を含む数多なる文献を丁寧にパラフレーズしながら、各々の著述の特徴を忠実に捉え、主要問題における各見解を描出していく筆致は瞠目に値する。「イオニアからイエナへ」の延長でヘーゲルを再評価する著述家は多いが、精神章を念頭にしたローゼンツヴァイクの批判(『救済の星』)は個人的に興味がある。2020/03/18

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