出版社内容情報
多様性を求めるリベラリズム、同質性を志向するデモクラシー、このふたつが克服できない対立なら、私たちにできることはなんだろう。
セクハラや差別が跡を絶たないのは、「差別はいけない」と叫ぶだけでは、解決できない問題がその背景にあるからだろう。反発・反感を手がかりにして、差別が生じる政治的・経済的・社会的な背景に迫る。「週刊読書人」論壇時評で注目の、気鋭のデビュー作。
【詳細内容紹介】
足を踏んだ者には、踏まれた者の痛みはわからない。「足を踏まれた!」と誰かが叫び、足を踏んだ人間に抗議するのは当然である。しかし、自分の足は痛くない私たちも、誰かの足を踏んだ人間を非難している。「みんなが差別を批判できる時代」に私たちは生きている。だから、テレビでもネットでもすぐに炎上騒ぎになるし、他人の足を踏まないように気をつけて、私たちは日々暮らしている。このような考え方は、「ポリティカル・コレクトネス(ポリコレ、PC、政治的正しさ)」と呼ばれている。けれども、世の中には「差別はいけない」という考えに反発するひともいる。ポリコレはうっとおししい……正しさを考えるだけで息が詰まる……ハラスメントだってわざとやったわけじゃない……。セクハラ、パワハラは無くすべきだし、ヘイトスピーチを書き込んではいけない。それは大前提だ。しかし、ポリコレへの反発・反感が存在するのにはそれ相応の理由があるはずだ。みんながポリコレを自覚して、合理的に行動すれば、差別はなくなるのだろうか。もっとも人間はそんなに賢い生物ではないかもしれない。セクハラや差別が後をたたないのは、「差別はいけない」と叫ぶだけでは、解決できない問題がその背景にあるからだろう。本書は反発・反感を手がかりにして、差別が生じる政治的・経済的・社会的な背景に迫っていきたい。
【目次】
まえがき みんなが差別を批判できる時代
第一章 ポリティカル・コレクトネスの由来
第二章 日本のポリコレ批判
第三章 ハラスメントの論理
第四章 道徳としての差別
第五章 合理的な差別と統治功利主義
第六章 差別は意図的なものか
第七章 天皇制の道徳について
あとがき ポリティカル・コレクトネスの汚名を肯定すること、ふたたび
目次
まえがき―みんなが差別を批判できる時代 アイデンティティからシティズンシップへ
第1章 ポリティカル・コレクトネスの由来
第2章 日本のポリコレ批判
第3章 ハラスメントの論理
第4章 道徳としての差別
第5章 合理的な差別と統治功利主義
第6章 差別は意図的なものか
第7章 天皇制の道徳について
あとがき ポリティカル・コレクトネスの汚名を肯定すること、ふたたび
感想・レビュー
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naginoha
ころこ
Y2K☮
おさむ
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