内容説明
明治31年1月から鳴雪・子規・虚子・碧梧桐らは63回に及ぶ『蕪村句集』の輪講を行った。彼らは蕪村をどう読んだのか。本書は、その全記録である。
目次
冬之部
春之部
著者等紹介
佐藤勝明[サトウカツアキ]
1958年、東京都生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。博士(文学)。現在、和洋女子大学教授。専攻、日本近世文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひばりん
3
子規とその弟子たちが、蕪村の読みをめぐって「あぁでもない、こうでもない」と一句一句語らう様子を収めた講義録。キャラ立ちが見事で、息遣いまで伝わってくるようだ。なにかと反りの合わない虚子と碧梧桐が、謀ったように性質の異なる読みを出す。すると鳴雪が、江戸文化を知る爺として、史実を示しつつ場を宥める。そして子規が、じつに意志の漲った読みを示して一同を真に黙らせる・・・ゼミナールかくあるべし。後の研究で、子規の蕪村解釈にも多く訂正が施されたが、それを承知の上でなら、あえてこの本から俳句に入門するのも悪くはない。