感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きさらぎ
3
論語の原文及び訓読、徂徠による解説からなる。原文及び訓読は底本とした『論語徴』にはなく、伊東藍田によるものだとのこと。元々は論語の数句を抄出してそれを論じる本だそうな。当時の学者向けの本なのかなあとも思う。徂徠の解説の現代語訳は附されていないので正直読んだと言えるレベルでもないが、それでも結構徂徠の文章が面白く、部分的には楽しく読んだ。論語を至上とする仁斎の丁寧で道徳的な読み込みの後に本書を読むと、何となく古代文献の中の論語というか、五経を重視したという徂徠の読書の姿勢が感じられるようで興味深かった。2018/06/11