平凡社ライブラリー
再生産について〈下〉―イデオロギーと国家のイデオロギー諸装置

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  • サイズ 文庫判/ページ数 365p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784582767124
  • NDC分類 311
  • Cコード C0310

内容説明

“国家=国家の抑圧装置+国家のイデオロギー諸装置”“イデオロギーは物質的な存在をもつ”“イデオロギーは主体としての諸個人に呼びかける”…さまざまな領域で言及される「有名な」これら諸テーゼを、アルチュセールは何に向けて論じているのか、本書は本来の再生産論の文脈の中で、その本来の照準を明らかにする。決定版の待望のライブラリー化!下巻には七〇年の論文、また批判への反論も収録。

目次

生産諸関係の再生(つづき)(生産諸関係の再生産と革命;再び「法」について。その現実性、すなわち国家の法的イデオロギー装置;イデオロギーについて;生産諸力に対する生産諸関係の優位について)
AIEにかんする注記
イデオロギーと国家のイデオロギー諸装置―探究のためのノート

著者等紹介

アルチュセール,ルイ[アルチュセール,ルイ][Althusser,Louis]
1918‐1990。アルジェリア生まれ。マルクス主義哲学者。1948年、エコール・ノルマル・シュペリウール講師、また共産党員となる。1960年代から、マルクスの方法的な読解によるマルクス主義理論の独自の再解釈を発表、マルクス主義者はもとより、“構造主義”以降のさまざまな思想家に巨大な影響を与える。1980年、妻を殺害、精神病院に収容される。のち退院し、1990年死去

西川長夫[ニシカワナガオ]
1934年生まれ。立命館大学名誉教授。専攻:比較史・比較文化論

伊吹浩一[イブキヒロカズ]
1967年、静岡県生まれ。専修大学大学院文学研究科哲学専攻博士課程単位取得退学。現在、専修大学、愛知大学非常勤講師。専攻:哲学、フランス現代思想

大中一彌[オオナカカズヤ]
1971年、東京都生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程満期退学、哲学博士(パリ第10大学)。法政大学教員。専攻:政治思想

今野晃[コンノヒカル]
1970年、東京都生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程満期退学。現在、専修大学、東京女子大学、法政大学非常勤講師。専攻:社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Z

7
に国家のイデオロギー装置というのを名指し家族、学校、情報産業、教会などをあげる。経済機構は再生産されなくてはいけないが、生産関係に応じた人間の教育、主体を作り上げる装置群をイデオロギー装置なる言葉で名指している。主体とイデオロギーの関係はラカンの自我と主体(無意識)の関係とパラレルで分散化された装置の中で、資本主義のイデオロギーを各自、それぞれ身に付けていく 様が描かれるが、軽い例が挙げられるだけで、具体的な分析はのちの『学校』という著作や、フーコー、ブルデューなどが行っているそう。この本自体は、二巻とし2018/09/26

きいち

6
初アルチュセール読了。「よびかけ」はアルチュセール哲学のキーにもなるらしいので、今度は哲学メインのものに行こう。アイデンティティとか主体とかいったものが、自由を保証するものではなく、逆に存在を縛りにかかるものになっている、人はもっと伸びやかにやれるもんだぞ、と宣言しているように読めて面白かった。ホロウェイに影響されすぎ、かなあ?2012/10/04

またの名

2
現代思想や批評理論に大きな影響を与えた特に有名な「呼びかけ」の議論を含む下巻。イデオロギーは普通思われているように観念なのではなく、諸主体の物質的な実践において存在する、呼びかけは無時間的な「つねにすでに」の次元で生じる、宗教的イデオロギーは大文字の主体の鏡像的な呼びかけの構造をなす・・・でイデオロギーからどう脱するの?という問いに対して、自身の主張も含めすべてはイデオロギーの競合ではあるものの、搾取と闘う階級闘争が何より重要だと答える。概念装置は洗練されていても、全てに同意するのは難しい挑発的な理論。2013/04/04

肉欲棒太郎

1
《イデオロギーは、主体としての諸個人に呼びかける》イデオロギーは観念的なものではなく、諸装置や実践の内に存在する物質的なものであるとの説はなかなか興味深い。〈生産諸力〉>〈生産諸関係〉ではなく、〈生産諸力〉<〈生産諸関係〉だよと、ヘーゲル=スターリンを一刀両断にしているのも痛快。〈68年5月〉の熱に浮かされて書かれた感が如実に伝わってくる。名著。2018/01/22

バーニング

1
下巻では「イデオロギーについて」が圧倒的に面白い。イデオロギーと、アルチュセールの重要な概念である「呼びかけ(interpellation)」との関わりについても触れられていてあとでもう一度読み返してみたい。2012/02/29

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