内容説明
その時代、英雄はいったん黄泉に下ったあと再び地上に甦ることを運命により許されていた。ホメロスが語らなかったトロイア戦争の実相を、参戦し戦死した英雄プロテシラオス自らが、彼を抱擁し言葉を交した者の口を通じて証す。対話体の平易な語り口のうちに、霊は歩き回り、歴史とフィクション、ホメロスへの批判と称讃、古代と現在とが幾重にも交錯する特異な古典世界。
目次
二人の挨拶、ぶどう園主の生活ぶり
プロテシラオスとの交流と彼の守護
巨大な英雄たち(の遺骨)について
プロテシラオスの墓と神殿、その外見や行動等
他の英雄霊たちの活動
大アイアスの霊のこと
ヘクトルの霊の振舞い
ふたたびアイアスの霊のこと
パラメデスの霊
アキレウス等の霊のこと〔ほか〕
著者等紹介
ピロストラトス,フラウィウス[ピロストラトス,フラウィウス][Philostratus,Flavius]
紀元2世紀後半に生まれ、244‐49年に死亡したギリシア人著述家・弁論家
内田次信[ウチダツグノブ]
1952年愛知県生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。現在、大阪大学大学院文学研究科教授。専攻、西洋古典文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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