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出版社内容情報
集合住宅づくりの現場から放つ問題提起と斬新なヴィジョン。その歴史と現状を通して共同性はいかに構築できるかを追究した意欲作。
内容説明
“コミュニティ”から“ガバナンス”へ。日本人の「共同性」の特質をあぶり出し、政治学の立場から都市居住と民主主義を考察する気鋭の論考。
目次
序章 日本人と「共同性」
第1章 個別化する都市住宅
第2章 唱和される“コミュニティ”
第3章 “コミュニティ”から“ガバナンス”へ
第4章 「政体不在」の“まちづくり”
第5章 要塞都市:ゲーテッド・コミュニティ
第6章 都市を集合住宅とせよ
第7章 私的政府における参加と熟議
第8章 都市人の理想―「警戒」と「自立」
補論 究極の都市人―京都人
終章 デモクラシーと公共性
著者等紹介
竹井隆人[タケイタカヒト]
政治学者。博士(学術)。(株)都市ガバナンス研究所代表。立命館大学政策科学部非常勤講師。1968年京都市生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科修了。長らく政府機関にて〈まちづくり〉に関わり、いまは〈まちづくり〉シンクタンクを経営し、京都を中心に活動中。「政治」の原点は〈まち〉にあるとする論評、著作多数。単著に『デモクラシーを〈まちづくり〉から始めよう』『集合住宅と日本人』(ともに、平凡社)など。共著に『排除と包摂の政治学』(木鐸社)など。訳書にベンジャミン・R・バーバー『消費が社会を滅ぼす?!』(吉田書店)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
浅香山三郎
2
建築や都市計画の専門家の言説に違和感を表明し、集合住宅(化した都市社会)の住民のコミュニケーションのあり方を再考する。建築畑の書き手とは視点がやや異なるが、まう少し深掘りして欲しかつたなあとも思ふ。2017/10/05
れどれ
1
都市論であり、日本人論でもあり、コミュニケーション論でもある。惜しむらくは、筆者による特定の界隈への怨恨感情があらわで、土台となる主張に偏りがみられること。さらには特定の文人の知見に依拠しすぎているきらいがあり、またその資料をやや都合よく解釈している節が見受けられ、公平性や中立性を欠いている印象が終始に渡って強かった。筆者の専門であるらしい政治を絡めた話よりも、都市の在り方についての言及、とくにゲート(門、壁、柵)で閉ざされた都市についてのアプローチがスリリングで面白かった。2020/11/28
KakeruA
1
この本に書かれている指摘を受け建築側がどう対応していくのか興味がある。とても刺激的で面白かった。2010/01/18
スズキパル
0
日本の無縁社会化や共同性の喪失に対する処方箋として,近隣住民との友好的な関係構築や相互交流を重視する「コミュニティの復権」論に異を唱え,構築物の共同管理等を通じた集団の自己規制・自己統治を重んじる「ガバナンス」論を対置した都市論.しばしば批判的に論評されがちなアメリカのゲーテッド・コミュニティを,安全と治安の確保といった利益を共同で保護するための私的政府として肯定的に取り上下ているのが印象的.2019/01/05