纏足の靴―小さな足の文化史

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  • サイズ A5判/ページ数 213p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784582472301
  • NDC分類 383.7
  • Cコード C0036

内容説明

一足歩めば蓮の花―。三寸(9センチ)の靴が語るまったく新しい豊かな世界。

目次

第1章 纏足の起源(埋葬された靴;中国のシンデレラ ほか)
第2章 結ぶもの(儒教の家族観;古代の十二支の動物たち ほか)
第3章 働く身体(女性の手;蚕の娘の伝説 ほか)
第4章 靴は語る(靴は魔術師;視覚的なあそび―靴に見られる幸福のシンボル ほか)
第5章 新しい世界(外国人の見た纏足、はだかの足;纏足反対運動のなかで ほか)

著者等紹介

コウ,ドロシー[コウ,ドロシー][Ko,Dorothy]
1957年香港生まれ。スタンフォード大学Ph.D.(東アジア史)。現在、コロンビア大学バーナード・カレッジ教授。専攻は中国および東アジアの女性文化

小野和子[オノカズコ]
1932年大阪生まれ。京都大学文学部卒業、文学博士。三重大学、京都大学人文科学研究所、京都橘女子大学教授を経て退職。専攻は中国近世史・中国近代女性史。2000年度アメリカ・アジア学会(AAS)特別功労賞受賞

小野啓子[オノケイコ]
1963年京都生まれ。東京大学工学研究科およびカリフォルニア大学バークレー校修士課程修了。シドニー大学Ph.D.(建築)。現在、沖縄大学助教授。専攻は都市計画、まちづくり、都市史。作品に『壷屋やちむん通り景観設計』(2000年度那覇市都市景観賞、2003年度土木学会デザイン賞優秀賞受賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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syaori

61
纏足靴というモノから纏足について考える本。纏足とは、詩賦などに描かれた美しいイメージと「男耕女織」という儒教の価値観が結びついた習俗で、少女にとって女性のコミュニティへの通過儀礼であり、繊細な刺繍を施すその靴は女性に奨励される手仕事、つまり家庭内での地位の象徴で「理にかなった習慣だった」ということが美麗な纏足靴の図版とともに語られます。ただ纏足には足を脱臼させ変形させる凄惨な面もあることも事実で、個人的には、いつの時代も女性に力を与えもし苦しめもするという、ファッションの二面性を象徴するような一冊でした。2023/02/03

kenitirokikuti

9
図書館にて。未開の蛮習と切り捨てられがちな「纏足」を、靴に着目して見つめなおしている。纏足という文化は画一的だったわけではなく、最初は貴人のものだったが、時代が下るにつれ大衆化してついには廃れてしまったという面がある。いまの女性もわざわざ痛い思いをして太い眉毛を抜いたりするが、それと似たような面があるのだ。小顔でなく、小足・小靴が美であった。2019/09/21

犬養三千代

7
日本が中国から採り入れなかった科挙、宦官、纏足。やはり日本の実情には合わなかったのだろう。纏足を女性抑圧や性的なものとして流布したのは西洋との遭遇があった19世紀。。それまでは良妻賢母の表れとして娘、母、おばさんなどと刺繍、くつを縫う技術など習得してきた。美しい靴の写真の数々には文化の高さを感じた。2020/02/09

7
全体的に論旨不明解な印象。纏足の起源考察や中国における女性の立場の歴史説明等、引用文献の扱い方が下手なのか何なのか終始「?」状態でした。それはそれで、色々な纏足靴の写真はとても素晴らしく興奮の嵐!地域毎の特徴区別は面白かった。靴底にまで細かい刺繍してる見えないお洒落美学に感服。靴の図説本として見ればまぁ良い。2013/08/21

駒子

3
残酷なもの、男性社会のあらわれとして揶揄される「纏足」ではなく、「纏足の靴」に焦点を当て、纏足に対して否定的ではない。人体のかたちを作りかえることは、はたから見れば残酷かもしれない。でも、それは纏足靴を履く当人たちにとってどうだったのか?纏足をあくまで女性のアイデンティティとして扱っているのに好感を持てた。2015/04/27

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