出版社内容情報
和歌の歴史の中で、雲はとりわけ別れの主題に関わって多様なかたちで美意識を堆積した。その美を追想することでまた新たな作品が生まれる。和歌の美の力学を解きほぐす試み。
内容説明
万葉集以来、「雲」は膨大な和歌に詠みこまれてきた。そしてとりわけ別れにかかわって、雲のモチーフは多様な美意識を堆積させ、漢文学の伝統とも相まって、生成し、享受される情調の群体を成長させてきた。そしてまた、追想されるその母体が新たな作品を生み出す。和歌の、古典の、力動をさぐりあてる、雲の和歌史。
目次
はじめに 「追憶」
1 歌われた雲
2 『万葉集』の雲
3 平安時代へ―変貌する神女
4 『新古今集』の時代
5 中世和歌の雲と幽玄
おわりに なぜ古典を学ぶのか、という問いに
著者等紹介
渡部泰明[ワタナベヤスアキ]
1957年、東京都生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中途退学。博士(文学)。現在、国文学研究資料館館長。専攻、和歌史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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