双葉文庫<br> 時給三〇〇円の死神

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双葉文庫
時給三〇〇円の死神

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  • サイズ 文庫判/ページ数 320p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784575520620
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報



藤まる[フジマル]
著・文・その他

内容説明

「それじゃあキミを死神として採用するね」ある日、高校生の佐倉真司は同級生の花森雪希から「死神」のアルバイトに誘われる。曰く「死神」の仕事とは、成仏できずにこの世に残る「死者」の未練を晴らし、あの世へと見送ることらしい。あまりに現実離れした話に、不審を抱く佐倉。しかし、「半年間勤め上げれば、どんな願いも叶えてもらえる」という話などを聞き、疑いながらも死神のアルバイトを始めることとなり―。死者たちが抱える、切なすぎる未練、願いに涙が止まらない、感動の物語。

著者等紹介

藤まる[フジマル]
第19回電撃小説大賞“金賞”を受賞。2013年『明日、ボクは死ぬ。キミは生き返る。』(電撃文庫)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ろくせい@やまもとかねよし

352
不条理な死。その死で絶たれた現世での未練を描く。「死者」は生者が前提で生者の中のみで生じるが、「死者」自体に主体性をもたせるところがユニークな構成か。「死者」の未練の共通性は、生前彼らが関係した他者が抱いただろう自分への想い。「死者」や自己の「利己性」への偏向から少し混乱気味だったが、軽快な展開ですっと読了。しかし通底する主題を掴みきれない印象。自己の意識が他者と共有できないあきらめ、無知で未熟な子どもが抱くある種強制的親への思い遣りなどが表現される。また「死者」の未練が他者への怨恨だけなのは切なかった。2020/03/12

三代目 びあだいまおう

308
主人公はある日同級生の花森さんから『死神』のアルバイトに誘われる。時給は300円、半年きちんと勤めたらどんな希望も叶えてくれるらしい。未練を残して命を落とした人は、それを断つための猶予期間(ロスタイム)が与えられる。死者に寄り添い成仏へと導くサポート、それが『死神』の仕事。ありがちなテーマだが各話少しだけ捻りを加えてくれてる点と、花森さんの明るく楽しい発言で面白く読み進められる。花森さんに関しては途中で少し読めちゃったけど、五章~エピローグは命の大切さが身に沁みた。テーマは重いがライトな読み口です‼️🙇2020/03/21

ソルティ

286
ちょっとどこかで見たような光景が浮かぶ内容。あと少し盛り上げすぎなのかな、くどさはある。でも、それがあっても染みる話で所々涙滲む。死神のバイト、死者にはロスタイムがある、個々の死者の事情、その裏の表に出さない感情なんかはすばらしい設定だと思う。世の中綺麗事だけではない。そして辛く切ない。だから死神たちの幸せを残す行為に共感。誰かに届くといいと思う。「確かに彼女の愛は無償ではないのかもしれない。憎しみが愛情を上回っているのも事実だろう。でも、だからといって子供を愛そうと足掻いた事実がなくなるわけではない。」2019/03/24

寂しがり屋の狼さん

231
成仏できずにこの世に残りロスタイムを過ごす『死者』の未練を晴らし、あの世へと見送る【死神】のアルバイトをすることになった青年の物語。主人公の回想として綴られてるため物語の先が詠めてしまうのが残念ですね(*^.^*)2020/04/12

菅原孝標女@ナイスありがとうございます

189
この世界には小さな奇跡がいくつもある。 時給はたったの300円。それでもきっと、価値のある仕事。素敵な仕事。悲しみの底から立ち上がる登場人物たちが切なくてそれでいて感動的。 面白い設定だったのと表紙の綺麗さに惹かれました。 あと個人的に、「~より」の使い方気になったな……。2018/08/01

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