内容説明
アメリカにおいて話題を呼んだのは宇宙葬であろう。親指大のカプセルに入れた遺骨を人工衛星とともに打上げる壮大な計画で、値段は一人100万円プラス消費税。愛する人が亡くなって、霊の依り代である遺骨が宇宙を遊泳して遺族の住む地球を見守り、夜ともなれば満天の星となって輝き、最短一年半、最長十数年で、流れ星となって消えていくのだという。1997年4月以来、これまで二回の打上げがあり、日本人の遺骨はいずれも一人ずつ。第三回目の宇宙葬は地上発射式三段型ロケット「トーラス」によって、1999年12月に計画された。日本人11人の遺骨が宇宙に旅立っていった。
目次
第1章 散骨の習俗
第2章 髑髏の習俗
第3章 骸骨の習俗
第4章 保存・崇拝の習俗
第5章 舎利の習俗
第6章 骨仏の習俗
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tohoho
2
骨をめぐる習俗・信仰についての資料をもとに、民族のもつ他界観等が論じられ、死生観について考えさせられる。2010/08/22
pepe
0
死者を弔う習慣は民族、宗教、時代によってさまざまであり、制度や法律によっても規制されていることを、沢山の事例から説明している。2013/12/28
ナコち
0
人は死した後の自分の処理を遺族や遺言に託すが、世界の国々の習俗によって、死生観、他界観、霊魂観が多岐に渡っていて面白い。死体となった肉体をどうするのかも、差があり興味深い。 死したら大地に還るという習俗は今や失われ、墓は骨壷を安置する処でしかないということに、なるほどと感じた。2011/05/11