感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あじ
38
人間と動物の魂の在り方が、カマラとアマラを介して証明された貴重な資料だと思う。人格形成は生まれてから数年で大部分が決定すると言われているが、人間の凄い所は例え八年間狼に育てられたとしても、心を取り戻して行く可能性を秘めている点だ。人と人との間に起きる奇跡の可能性は、無限大であると思わずにはいられない。人間の未知数な愛という感情こそ、奇跡に数えて良いだろう。2014/04/24
蜜葉
6
いつもと全く毛色が違う本を読了。いろいろな意味で興味深かった。秘密を隠し続けるか、彼女たちの命を守るかで、秘密を隠し続ける方を優先した夫妻の心理がわからない。彼女たちが生きているからこそ、秘密は必要であるのに、彼女たちが死んでしまったら元も子もない。また、後半カマラだけ他の孤児院の子達と比べ特別扱いをしている様子が目立ったが、彼らは本当に彼女を同じ人としてみていたのだろうか?愛情の後ろに同情が見え隠れするのは隠せない。2015/07/12
sun
5
狼に育てられた子について、詳しく知りたい思っていた。この話が事実であるとして、シング夫妻の善意からカマラとアマラは保護されたが、人間として生きる道を示されたことは、二人にとっての幸せだったのかはわからない。遺伝か環境か。的外れな意見かもしれないが、人間として生まれても、狼として育ったのであれば、二人にとって、急激な環境変化で母狼と離されるよりは、狼として生きてもよかったのではないかと思う。狼から人間として生き方を変えて、不自由をあじわう必要はないのでは。2016/01/09
Unicorn
5
狼に育てられた子達、アマラとカマラのお話。シング牧師が訪れたある場所で化け物が出るから退治してくれと言われ、様子を見ているとその化け物は人間の子ども達だった。シング牧師は、二人を育てていたと思われる母狼も捕えたいと思っていたけれど、仲間に射殺されてしまう。アマラは保護されてから1年余りで亡くなってしまうが、カマラは8年ほど生きた。その中で、彼女は人間らしい感情等を身に付けていく。人間が人間らしく生きていく為には環境に物凄く左右されるのだということを改めて気付かせてくれた。2011/10/19
ナツ
4
非常にそそられるテーマで、昔から詳しく知りたかったので、楽しみに読みました。記録としては日記適度なので、当時でも研究資料としては弱かった様だが興味本位に読むには十分でした!年少の方の女児は発見当時1才半ぐらいとの事だが、年長の子にしろ何歳から狼との生活が始まったのか?実話なのか?非常に気になります!2015/09/22