内容説明
本書は、著者が東京大学の理系の学生に対して行った熱力学の講義をもとにまとめた入門的教科書である。熱力学の基礎的な事項を、特に、その本質的な構造を明確に理解してもらうことに力点をおいて、できる限りわかりやすくかつコンパクトに解説する。高校で履修した経験的な熱学から、大学での熱力学の基本的な構造の理解へと、歴史的な経緯や例を交え物理的な観点を強調しながら説明していくことで、熱力学の論理構造とともにその有用性を学ぶことができる。さらに、数学的な予備知識については高校で習う微積分で十分なように配慮し、重要な原理を説明した後には具体的な例題と演習問題を掲げることで、実際に「熱力学」を使えるようになることを重視してまとめられている。
目次
1 熱力学とは何か
2 熱力学の基本概念
3 熱力学第1法則
4 熱力学第2法則
5 エントロピーの概念
6 さまざまな条件下における熱平衡と熱力学関数
7 より一般的な系に対する熱力学の適用
著者等紹介
風間洋一[カザマヨウイチ]
1949年新潟県生まれ。1973年京都大学理学部卒業。1977年ニューヨーク州立大学大学院博士課程修了、Ph.D.ミシガン大学研究員。1979年フェルミ国立加速器研究所研究員。1981年京都大学理学部助手。1983年高エネルギー物理学研究所助教授。1988年東京大学教養学部助教授。1992年東京大学教養学部教授。1996年東京大学大学院総合文化研究科教授。2006年素粒子メダル受賞。2014年東京大学名誉教授。現在、立教大学数理物理学研究センター客員研究員、理化学研究所仁科センター客員研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。