出版社内容情報
1562年から1598年のあいだ、フランスで八度にわたる宗教戦争が繰り広げられた。これは宗教間の対立であるとともに、貴族間の派閥闘争でもあった。
16世紀初頭、ルターの思想がフランスにも広まりはじめた。この時代は、印刷術が目覚ましく発展した時期であり、フランス語に翻訳された聖書によって、人びとは神の言葉を直接読むことが可能になった。このキリスト教の原初的純正への回帰は、旧教会への「抗議」となる。一方で、印刷術は風刺や誹謗文書にも使用され、人びとの政治意識は高まり、前例のない戦争へと発展していった。陰謀、暗殺、檄文……。貴族たちはつねに剣を身につけ、ためらうことなく刀を抜くようになり、かつての騎士道精神は失われていった。
本書は、フランス社会が著しく政治化されていくなかで、宗教戦争が果たした役割を描き出す。
内容説明
一五六二年から一五九八年のあいだ繰り広げられたフランスの内戦は、宗教間の対立であるとともに、貴族間の派閥闘争だった。他方、時局の変動に対応しようと試みた王政の政治的実験の場であり、ヨーロッパを舞台とした国際紛争の一部でもある。本書は、フランス社会が著しい政治化を遂げる機会となった宗教戦争を明らかにする。
目次
第1章 神とその民
第2章 君主が子供の国
第3章 戦争と平和
第4章 恐怖の席巻
第5章 闇の奥
第6章 国家か宗教か
著者等紹介
ル・ルー,ニコラ[ルルー,ニコラ] [Le Roux,Nicolas]
パリ第4大学ソルボンヌ校(現ソルボンヌ大学)准教授、リヨン第2大学教授を経て、現在、パリ第13大学教授。専門はフランス近世史
久保田剛史[クボタタケシ]
青山学院大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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