出版社内容情報
その概念の総括をめざす野心的試み
幻想、思い出、夢、メタファー、象徴、物語、神話などのなかに表れる「イマジネール」。それは私たちを身近なものから切り離し、遊びへと誘うと同時に、不安をも生じさせる。
このイマジネールという概念は、20世紀に急速に広がり、哲学をはじめ、精神分析学、文学解釈法、社会学といったさまざまな分野で発展した。
本書は、カッシーラー、サルトル、バシュラール、デュラン、リクール、コルバンらの業績を振り返りながら、用語の定義や解釈、基本的な捉え方を明らかにする。さらには政治思想への支持形態、社会的な牽引力・反発力のなかにおいてもイマジネールは活動するとし、歴史の進展に及ぼした影響にも触れる。
『聖なるもの』の著者・ジャン=ジャック・ヴュナンビュルジェによるイマジネールの概念の総括をめざす野心的な著作。
内容説明
人間が作りだすメタファー、象徴、物語、神話などからなる「イマジネール」。それは夢想や芸術のみならず、思い出の推敲、未来の予示、さらには政治思想、社会的な牽引力・反発力においても活動するという。本書は、二十世紀後半に大きく前進した「イマジネール」という概念を、哲学的に分析し、総括をめざす野心的試みである。
目次
第1章 現代の理論(歴史的背景;主要業績の諸相)
第2章 定義、解釈、問題点
第3章 源泉、構造、変容(基本的特質;構造と論理 ほか)
第4章 活動中の文化的イマジネール(自然と人工物のイマジネール;歴史と政治的指導者のイマジネール)
結論
著者等紹介
ヴュナンビュルジェ,ジャン=ジャック[ヴュナンビュルジェ,ジャンジャック] [Wunenburger,Jean‐Jacques]
リヨン第三大学名誉教授、元リヨン哲学研究所所長、国際ガストン・バシュラール協会会長、ジルベール・デュラン研究会会長
川那部和恵[カワナベカズエ]
名古屋大学大学院文学研究科修了。文学博士。専攻は、フランス中世・ルネサンスの演劇文学と文化。奈良教育大学助教授、教授、東洋大学教授を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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