内容説明
フランスで人気の哲学者、コント=スポンヴィルならではの知見がちりばめられた入門書。哲学とは何か、長い歴史を通じてどのように展開してきたか、を述べるとともに、六つのテーマに即した思考の具体例を紹介する。哲学の魅力をわかりやすく語った好著。
目次
序論 哲学とはなにか
第1章 哲学とその歴史(哲学史と科学史;古代哲学;中世哲学;近代哲学;現代哲学)
第2章 領域と潮流(形而上学の大きさと諸限界;認識の哲学(「私はなにを知りうるのか」)
倫理と道徳の哲学
政治哲学
芸術の哲学
哲学と人文諸科学(「人間とはなにか」))
結論 哲学と叡智
著者等紹介
小須田健[コスダケン]
1964年生まれ。中央大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。現在、中央大学、清泉女子大学ほかの講師。専門は、現象学を中心とする現代哲学および倫理思想全般
照屋裕美子[テルヤユミコ]
1971年生まれ。中央大学大学院文学研究科哲学専攻博士後期課程単位取得退学
コリーヌ・カンタン[カンタン,コリーヌ]
1959年生まれ。トゥルーズ・ミラーユ大学博士号取得(心理学)。現在、株式会社フランス著作権事務所取締役(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さえきかずひこ
12
序章で筆者は「哲学とはなにか。それは(論証的で理性的で概念的である点で)理論的だが、非・科学的な実践である。(後略)」(P.26)と明快に定義し、第1章では近代哲学の始まりをデカルトではなく、モンテーニュ、ブルーノ、ベーコンに求める。第2章では哲学について影響を与えた人文諸科学についても紙幅を割き、哲学とそれらの取り結ぶ関係から「善く生きること」という哲学の普遍的な課題に触れている。モンテーニュとパスカルをたびたび引用するとてもフランス的で良質な哲学入門書だと言えるだろう。ちなみに、カントも重んじている。2020/01/17
colocolokenta
11
壮大な哲学概論。ただただ圧倒されてしまった。人間にとって本当に必要なものは金だろうか?それとも哲学することだろうか?2013/11/18
colocolokenta
5
2013年以来7年ぶりの再読。読み進めるうち、内容を思い出した。古代からこれまでの総覧的な作品で、わかりやすく書かれた教科書という感じ。結論の「哲学と叡智」は感動。良書。2020/07/31
なつき
2
【2016/04/14★はしプロ哲学6】『哲学』読了。「コレクション・クセジュ」のなかの一冊。アンドレ・コント=スポンヴィルという現代のフランスの哲学者による。哲学の入門書らしく、序論からはじまり、通史的な見方と共時的な見方で哲学をざっと眺めていく。良質な入門書だと思った。2016/04/14