内容説明
サッカーに群がる欲求不満な暴徒―フーリガンは、希望格差社会の申し子か?本書は、メディアによって作りあげられた集団像を実地調査をもとに問い直し、彼らの実像に迫る。群集心理や共同体への帰属意識などの解説を通して暴徒化の誘因となることがらをあぶりだす。サッカーファン必読の書。
目次
第1章 フーリガン現象―歴史と現代性の狭間で(現代社会に特有の現象なのか?;ヨーロッパにおけるフーリガン現象の出現)
第2章 諸批評と論点(問題への限定的な視点;フーリガン事件における数字―イデオロギー化したデータ;暴力について;フーリガン―均質なカテゴリーなのか?;スポーツ催事の影響)
第3章 サッカー―普遍的スポーツから党派的情熱へ(普遍的スポーツ;大衆のスポーツ;都市への定着;大衆の行動)
第4章 スポーツの群衆―雑多な世界(大衆の「職業と社会階層」;観客とサポーター;サポーターであること―年齢の問題;サポーターとサポーター行動)
第5章 フランスにおけるフーリガン現象(間違った社会構造?;グループ間の抗争―情熱の暴走から共同体の論理へ;フーリガン現象、サブ・カルチャーと政治;アノミーの問題)
著者等紹介
陣野俊史[ジンノトシフミ]
1961年生。批評家
相田淑子[アイダヨシコ]
1960年生。中央大学法学部助教授。フランス十六世紀文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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紅丸
2
族としてのフーリガンを解説してる本と思いきや、その現象、背景にターゲットを当てた社会学の本だった。本家イングランドのフーリガン現象と作者の母国フランスでの現象を徹底的に分析。いわゆる「労働者階級のやること」ではなく、集団としての行動に関して詳しく書かれてる。2017/10/19
caniTSUYO
1
フーリガンの固定概念をあらゆる論文や証言をもとに社会学アプローチ立体的に解説したのが本書。 貧困層が自己の閉塞感をフーリガンであることで発散しているのではなく、複合的な要因でフーリガンをやっているという話だけであまり驚きがなかったのが残念。2020/07/04
わにさん
0
なんかカタカナがたくさん並んでてよくわからんなあって感じ。最後まで読み切れなかったけど特別ためになったこともなく。ただの勉強不足なのかもしれないけど2014/08/15
hiratax
0
(20060124)あんま覚えてない。タイトルからするといっけん反社会的に見える場所に生じる「倫理」とかを取り上げてそう。2006/01/24