出版社内容情報
義足のアスリートたちが躍動するために、高い機能性と美しさを兼ね備えた競技用義足の開発に挑んだ感動のノンフィクション!
【著者紹介】
1957年愛媛県生まれ。東京大学工学部産業機械工学科卒業。プロダクトデザイナー、慶應義塾大学教授。山中デザイン研究室を設立。著書に「デザインの骨格」「フューチャー・スタイル」など。
内容説明
義足アスリートたちがより美しく躍動するために、日本を代表するプロダクトデザイナーが、学生たちとともに競技用義足のデザイン開発に挑んだ三年間の軌跡。
目次
第1章 オスカー・ピストリウス
第2章 ブレードランナーたち
第3章 日本一の義肢装具士、臼井二美男さん
第4章 走り出した義足プロジェクト
第5章 陸上競技用下腿義足
第6章 自転車競技用下腿義足
第7章 最終選考会
著者等紹介
山中俊治[ヤマナカシュンジ]
プロダクトデザイナー/慶應義塾大学教授。1957年愛媛県生まれ。82年東京大学工学部産業機械工学科卒業後、日産自動車デザインセンター勤務。87年よりフリーのデザイナーとして独立。91年から94年まで東京大学工学部客員助教授を務める。94年、リーディング・エッジ・デザインを設立。腕時計やキッチン用品などの生活用品から鉄道車両に至る幅広い工業製品をデザインする一方、技術者として、ロボティクスや通信技術に携わる。2001年には「Suica」のICカード改札機をデザイン(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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Roko
16
これまでの日本の義足は歩ければいいという観点しかなく、見られて美しいとか、本人が付けたくなるデザインというようなことを全く考えていなかったのです。著者の山中さんは、デザイナーという立場から、美しく、機能も高い、つけた本人のモチベーションが上がるようなデザインの義足を作りたいと頑張ってらっしゃいます。義足だけでなく、車椅子も、杖も、そのほかの装具だって、そういう考え方で作られたものが増えたら、障害があっても外に出たいという気持ちの助けになるのではないでしょうか。すべての人が人生を楽しめるように!2020/12/07
くり
6
一言で言えば「義足をデザインする」というシンプルな内容の本。優れた作品の感想は難しい。前文引用したくなる。是非、沢山の人に読んで欲しいノンフィクション!2014/08/27
かりん
4
3:ホンモノっぽい義足ではなく、ベツモノでありながら美しく調和した義足。デザインの力と、デザインの他に必要なこと、その両方を考えさせられた。■その圧力の源泉は、私たち自身の心のうちにあった。私たち自身の同質化願望が、ここでは悲鳴をあげていた。人々は、ほんとうに自分たちが欲しいものを知らない。この義足を使うようになってから、友人たちが義足について聞いてくるようになりました。2012/09/07
SS
3
デザインとは?を多義的かつ階層的に実践された本。モノ、こと、そして場。カタチや色ではなく、人と外界とのインターフェースとしてメタ的にデザインしている。2015/01/07
井上岳一
3
義足のデザインに挑戦したデザイナー・山中俊治の3年間の記録。素晴らしい。本当に必要とされているものをつくることに関わることが、どれだけ人を幸せな気持にさせるか。山中俊治は、義足と出会うことによって、本当に宝物を見つけられたのだと思う。その興奮と戸惑いと挫折と小さな成功が、読み手の胸を熱くする。2013/10/15