自給と産直で地域をつくる―個性化する日本とアジアの農業

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  • サイズ B6判/ページ数 253p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784540033384
  • NDC分類 610.4
  • Cコード C0061

内容説明

市や産直の復活は少量多品目型の生産を誘発し、結局は改めて農家の自給畑や裏庭、裏山などの活用も復活させ、自給部分の回復につながっている。市の復活が、同時に農村の暮らしの本来もっていた多彩な豊かさをも復活させているのである。都市の生活者もそこを敏感に感じ取り、農産物に、商品原理を超えた、物語性ある生活原理を求めるようになってきた。交換の場は交歓の場でもあるのだ。自給、市、産直が生み出す農村と都市の新しい交響。

目次

プロローグ 農業は限りなく個性化し、オルタナティブな市場をつくる
1 日本から(市や産直があぶり出した農村の豊かさ―生活原理に基づく都市と農村の交響;国際競争をしない農業が地域を活性化した―地域内連携で「土徳」を表現するむら;「援農」なんておこがましくて―農業に“縁”をいただく都市民たち)
2 アジアから(売るための農業から暮らしをつくる農業へ―タイ東北部タラート村の四〇年;日本の若者をアジアに投げ込め―タイ・ノンドゥー村の女性たちとの交流から気づいたこと;アジアの農民と米―「売る米」と「食べる米」のはざまで)
3 地域から(地域がそのまま博物館―エコミュージアムというふるさと再生手法;「消費」に取って代わられた「暮らし」を取り戻す―積み重ねの歴史を振り返って;地域が社会を生産する―日本社会再生のキーワード;「農家のため」の農政から「農家による」農政へ―宮城県「角田市農業振興公社」と「あぶくま農学校」の試み)
趣味は百姓、職業は農業―“日本農業”から解放されよう
エピローグ 守分身無辱―分を守り、身は辱しむる無し

著者等紹介

小松光一[コマツコウイチ]
1943年、北海道生れ。千葉大学文理学部卒業後、千葉県農村中堅青年養成所、千葉県農業大学校教官を経て法政大学、和光大学、お茶の水女子大学、茨城大学等の非常勤講師。大地を守る会、角田市農業振興公社顧問など
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