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出版社内容情報
命がけの渡日に至る鑑真の生き様を中心に、当時の社会背景と日本での事跡の広がりをたどる。
玄宗皇帝の大唐(8世紀前半)ですでに高僧であったのに、命を賭して渡日した鑑真。当時の社会背景と中国仏教界の実相を綿密にたどり、人間・鑑真の宗教的情熱を解き明かす。中国側資料が初めて明かす鑑真の生き様。
※「若葉して 御目(おんめ)の雫(しづく) ぬぐはばや」は、鑑真没後900年を経た元禄元年(1688年)、唐招提寺に鑑真和上坐像を拝した松尾芭蕉45歳の句。
内容説明
「転生」が鍵―鑑真はなぜ生命を賭してまで日本へ渡ろうとしたのか?中国側からの最新鑑真研究。
目次
第1章 沈黙の鑑真像
第2章 揚州から長安へ
第3章 「地獄の門」
第4章 渡日動機の仮説
第5章 鑑真と舎利信仰
第6章 慧思から太子へ
第7章 鑑真和上の遺産
鑑真ブームの回顧と展望
著者等紹介
王勇[オウユウ]
1956年、浙江省生まれ。現在、浙江大学日本文化研究所所長、同博士課程指導教官。国際日本文化研究センター、早稲田大学などに招かれ講義・研究に携わる。専門は古代中日文化交流史
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感想・レビュー
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baアタマ
1
2002年初版。著者は中国浙江省出身で日本で研究者で、国際的な唐王朝や鑑真の祖先、12年間計5回の渡航失敗、来日後の活動と影響について具体的に記している。本書最大のテーマの鑑真の来日動機は、鑑真の内的世界が表現しきれていないとか私の仏教知識が足りな過ぎるとかでイマイチ納得できない。「鑑真和上の両眼は人間そのものの内的世界をじっと見つめているのだ。外面世界にばかり目を奪われがちな我々よりも、その視線はもっと鋭くて明るい。」日中関係が鑑真の言葉「山川域を異にすれど風月天を同じうす」のようだといい。2012/10/17