内容説明
翼賛議員を「茶坊主」と一喝する頑固者。吉田独裁政権にとどめを刺した策略家。仇敵をたやすく陣営に取り込む人たらし…。見事な「策謀」の数々で安定政権を実現させ、戦後日本を復興へと導いた男の痛快人生。
目次
第1章 雲の峰
第2章 はばたき
第3章 飛翔
第4章 乱気流
第5章 攻略
第6章 回天
著者等紹介
水木楊[ミズキヨウ]
作家。1937年生まれ。自由学園最高学部卒業後、日本経済新聞社入社。ロンドン特派員、ワシントン支局長などを経て、論説主幹を務めた
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感想・レビュー
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ひこまる
4
閣僚経験はないながら戦前戦後のキーマンとして日本の復興の礎となった政治家三木武吉の伝記。策士ではあるが党派や自己の利益を越えて根底に日本の国家があるので、国会野次などの一見イチャモンにみえるエピソードも全て清々しくて個人的に大好きな人物だ。この本は彼の入門書として大変分かりやすいとは思う。ただ戸川猪佐武氏の「小説吉田学校」(およびさいとうたかを氏の「大宰相」)を先に読んでハマってしまった者からしたら、敵側味方側ともやや人物描写が物足りない気がするなあ・・・2013/02/16
pyonko
3
保守合同の立役者である三木武吉の伝記。戦後政治史を見ていく中で、何故この男が鳩山一郎をここまで立てようとしたのかがそのきっかけが良く分からず、この本を手に取った。本書では三木武吉の生涯を通して戦前、戦後すぐの政治を垣間見ることはできる。しかし、該当箇所に関してはもう少し深く知りたいので他の文献も当たってみようと思う。また、最後に年表があればありがたかった。2014/07/20
JURIST
3
水木楊作品の特徴として、事実の記述の合間に著者の解釈や憶測を混ぜ込む点があります。そこさえなければ、三木武吉の人生を壮大なストーリーとして紡いだ面白い読み物として評価できましょう。事実誤認が多いのが残念です。2010/12/31
素牛(Sogyu)
1
面白く、一気に読みました。多少創作も入っているような気もしますが、戦前、戦中、戦後と、政治の世界を生き抜いて、独自の世界を作り上げた男の気概が伝わってきます。2015/12/16
monel
1
ノリが本宮ひろ志の「大いなる完」。2010/04/22